「モスクワ」撃沈のウクライナ製ミサイルより優秀? 陸自12式SSM 離島防衛の切札
陸自期待の新ミサイル 12式地対艦誘導弾の性能は?
12式地対艦誘導弾は、英名の「Type 12 Surface-to-Ship Missile」から「12SSM」とも呼称される大型の陸上発射型ミサイルです。既存の「88式地対艦誘導弾(88SSM)」の後継で、88SSMの射程が150km程度だったのに対し、12SSMではその距離を200km以上に伸ばしているのが特徴です。
ちなみに、2020年12月の閣議では、この射程を当初900kmまで延伸させ、最終的には1500kmにまで伸ばして事実上の巡航ミサイルに改良するという案が浮上しました。この背景にあるのはロシアや中国の台頭です。
数年ほど前より、陸上自衛隊は冷戦時代の北方重視施策から、離島防衛に軸足を移した西方重視を提唱してきました。そこで必須となるのが、我が国への上陸を企図する敵の舟艇を攻撃する能力です。その際、打撃力の主役となるのが12SSMで、実際に奄美大島と宮古島には、各1個中隊ずつ配置されています。なお、これら2個中隊の上級部隊は、熊本市の健軍駐屯地に所在する第5地対艦ミサイル連隊になります。
近隣国とは海で隔てられた日本の場合、仮に周辺諸国の軍隊が我が国へ侵攻しようとするならば、まずは航空戦力同士の戦いが行われるのは間違いないでしょう。航空自衛隊の戦闘機と海上自衛隊のイージス艦などが敵の航空機を撃ち落としますが、それでも圧倒的な物量差で日本に襲い掛かってきた場合、たとえば広い範囲で波状攻撃を仕掛けてきたとすると自衛隊が不利な状況になるのは確実です。
そうなったときに登場するのが航空自衛隊と陸上自衛隊の地対空ミサイル部隊です。ここまでくると敵は航空優勢(制空権)を取りつつ大規模な上陸作戦を仕掛けてくるでしょう。
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