飯田線が「アニメ聖地巡礼発祥の地」って? 30年続く作品との縁 名物「下山ダッシュ」
飯田線の無人駅近くに近年、「アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑が建てられました。この地が舞台となったアニメ作品『究極超人あ~る』から30年、ファンと地域の交流はずっと続いています。
飯田線の駅前にR・田中一郎登場 なぜここはアニメの聖地に?
長野県飯島町にあるJR飯田線の田切駅は、ホーム1面だけの無人駅。1~2時間に1本の電車が走り去ると、あたりは静けさに包まれます。駅の階段を降りて線路下をくぐると左手に、「アニメ聖地巡礼 発祥の地」と記された記念碑がそびえ立っています。
そのアニメが何の作品を指すかは明記されていませんが、碑の裏側に記された奇妙な文体の碑文から、漫画家・ゆうきまさみさん原作の『究極超人あ~る』であることに気付く人も多いでしょう。この作品を読んだことがあれば、碑の表面に刻まれた自転車・学生服・下駄のイラストでわかるかもしれません。
『究極超人あ~る』は1985(昭和60)年から「週刊少年サンデー」などに連載され、終了後の1991(平成3)年にOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)が制作されました。学生服・下駄がトレードマークの主人公「R・田中一郎」が所属する光画部(写真部のこと)の一行が駅のスタンプを集めながら長野県伊那市まで撮影旅行をする内容の作品で、飯田線沿線の様子が至る所に描かれています。ミュージシャン・山本正之さんが歌唱する劇中歌「飯田線のバラード」が印象に残っている人もいるのではないでしょうか。
作中では、光画部の一行が間違って田切駅で下車してしまい、「最終日夕方6時までに目的地へ到着」という条件を果たすため、R・田中一郎の自転車「轟天号」に部員全員が乗り込んで伊那市を目指すという場面があります。なぜか最短距離の国道ではなく峠道を進み、要所要所で部員を振り落としながらタイムリミット1秒前に目的地(西園寺ツーリスト)に到着するというスリリングな展開。自転車10人乗りというあらゆる面で疑問が残る行為は、R・田中一郎のアンドロイドとしてのパワーと「あくまでもギャグ漫画」というスタンスがあってこそのものでしょう。
作品を見たファンは、作中に登場した場所を“聖地巡礼“として訪れ、伊那路の旅を楽しむようになりました。それだけでなく、同作品は地域を動かしてきたのです。
コメント欄の「私はロボットではありません」ができすぎです
長野県内のアニメ、ゲームの聖地巡礼といえば古くは
おねがいティーチャー、おねがいツインズが松本や大町に聖地があって
2000年初頭頃には巡礼が行われていたと記憶していました。
乗り物ニュース的にも海無し県なのに海ノ口駅が聖地という点でご存知の方もいらっしゃるでしょうか。
それ以前に飯田に聖地のある作品があったとは、リアルタイム世代で無いこともあって不勉強でした。
しかし多分おねがい〜の方は巡礼して楽しんでいる人をネットで見たというのが一番大きいのでしょうね。
ネットの写真や口コミで、最初からそれを目的にして一人でひっそり訪ねた思い出を共有出来るようになった。
ネット普及前から巡礼されていた場所も掘り起こせば資源になるかも知れませんね。