日本初の公営地下鉄が誕生した日 御堂筋線 梅田~心斎橋 -1933.5.20
89年前の5月20日、大阪メトロ御堂筋線の最初の区間が開業しました。
最初は1両編成
今から89年前の1933(昭和8)年の5月20日。大阪市の地下鉄御堂筋線が、梅田~心斎橋間で開業しました。日本では初となる、公営の地下鉄の誕生です。
地下鉄の歴史を振り返ると、旅客用の鉄道が最初に地下に建設されたのが、宮城県仙台市の、JR仙石線の前身である宮城電気鉄道の仙台~東七番丁駅間。1925(大正14)年のことです。その2年後の1927(昭和2)年、初めて「地下鉄」として開業したのが、現在の東京メトロ銀座線で、浅草~上野間が「東京地下鉄道」という会社が建設・運営していました。
御堂筋線は地下鉄としては全国で銀座線に続く2番目の路線。大阪市が建設し運営する、公営地下鉄です。1920(大正9)年から検討がスタートし、御堂筋線は1号線として、江坂~我孫子(あびこ)間で整備するものとされました。
約3年の工事を経て、梅田~心斎橋間が先行開業。2年後には難波(なんば)へ、さらにその3年後には天王寺へ、順次延伸していきます。先行開業時は1両編成での運転で、その後2両、3両と増車されました。
梅田~なんば間では、需要の増加にそなえ、当初からホームは12両編成を見越した長さで建設されました。戦後復興とともに1編成の両数は伸びていき、1996(平成8)年に10両編成化し、現在に至ります。
当時の大阪市は「市内の公共交通は市が整備しその役割を担っていく」として、民間の鉄道の市内中心部への乗り入れに対し消極的な態度をとっていました。「市営モンロー主義」と呼ばれたその方針は、時代とともに変わっていき、現在は京阪中之島線や阪神なんば線、なにわ筋線など新線の建設が相次いで行われてきています。
戦前から地下鉄を支え続けた大阪市交通局は2017年に民営化し、大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)に。現在は公営地下鉄という位置付けではなくなっています。
【了】
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