次期戦闘機「日英共同開発」に方針転換か アメリカ塩対応のワケ 日本側に必要な“覚悟”

アメリカとは都合つかない?

 アメリカ空軍はF-22AとF-15Cを後継する新戦闘機「NGAD」の開発を進めていますが、就役時期などは明確になっていません。2035年に次期戦闘機を就役させる必要のある日本とは、産経新聞が報じたように新戦闘機の開発スケジュールが異なっており、部品の共通化などによる開発コストの低減というメリットは望めませんでした。

 日本側がロッキード・マーティンに支援を求めていたステルス性能などの技術は、アメリカにとっても戦略的に重要な技術であり、ロッキード・マーティンの一存で協力できるものではありません。日本には防衛機密の漏洩や窃取を厳罰に処す法律がなく、航空自衛隊のF-35の導入などの際にも、アメリカは機密保持の観点からこれを問題視していました。

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航空自衛隊のF-2戦闘機。アメリカと共同開発(画像:航空自衛隊)。

 改修が必要になった場合にアメリカで作業を行うという案は、防衛機密を守りながら技術協力を行う上で、アメリカ政府ができる最大限の譲歩だと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。しかし、改修の必要が生じた際、日本が独自に行えることを次期戦闘機開発の主眼のひとつに置いた日本側には、許容できるものではなかったのでしょう。

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コメント

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1件のコメント

  1. 新技術の開発に関わらないだけで、F-35に採用されてる既存技術の一部の提供は有るんじゃ無いかな?
    アメリカが新型のスケジュール明かさないのもそれが関係してる気がする。
    日英が共同開発した機体をベースに新型を開発する事で1から開発するより開発コストを圧縮する狙いがあるのでは?