“超”傑作機? ダグラスDC-8は何がスゴイのか 航空史を塗り替えた「空の貴婦人」 世界初も?

なぜイギリスの方が「ジェット旅客機開発」が先だったのか

 戦時下、イギリスは大戦の終了を見越して戦後に使用する旅客機の開発に関するプランを計画的に作成していたのに対し、アメリカは時間を要するジェット・エンジンの開発よりも航空機の量産体制の確保を優先させ、まずは戦争を優位に進める物量を確保しようという狙いがあったように思われます。

 こうして開発が進められたDC-8ですが、当初発注はなかったそうです。やっと注文を得たのは1955年のことで、パンナムがDC-8を25機発注し、その後世界のエアラインも続々とDC-8を選択。日本航空も1956年に導入を決定しました。ライバルはボーイング707で、パンナムもDC-8とともに、707を20機発注しています。

 DC-8は、顧客であるエアラインからの強い要望もあり、胴体幅を横に拡張して、座席が横3-2列、計5席配置から、横3-3列、計6席を標準仕様としました。胴体は客室の広さと貨物室の広さを確保すべく、円を2つ重ねた「ダブルバブル」構造を採用。こうした胴体の基本的な設計は後継機のDC-9、そしてMD-90まで引き継がれることになります。

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