海自も導入か 水上戦術をガラリと変える艦艇用レーダー「SPY-6」…何ができるの?

「兵器における高度情報化」の波が陸海空問わずあらゆるものに及ぶなか、艦艇用のレーダーがまたひとつ進化のステップを上がろうとしています。水上戦術が一変するかもしれない「SPY-6」、どういったものなのでしょうか。

ADRがアメリカ海軍にもたらす恩恵とは

 このようなADRのもとで将来、実装が予定されているSPY-6固有の機能は、アメリカ海軍のとある構想にとっても非常に重要な構成要素のひとつとなっています。それが、「分散海上作戦(DMO)」です。DMOは、これまでのように艦艇をある程度密集させるのではなく、逆に分散させて運用するというものです。

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「ジャック・H・ルーカス」は2023年に就役の予定(画像:NAVSEA)。

 陸海空に配置されたレーダーを含むセンサーだけではなく、宇宙空間に浮かぶ衛星などからも艦艇の動向が見えるようになった現在では、かつてよりもはるかに容易に、敵にその位置を捕捉される危険性があります。密集していると、文字通り一網打尽です。

 そこで、艦艇同士を分散させることによって、敵がこちらの全艦艇の位置について把握することを困難にし、さらに敵の、どの艦艇を集中的に攻撃するべきかという判断を困難にさせようというのが、このDMOです。

 しかし、ただ単に艦艇を分散させただけでは各個撃破されてしまう危険性があります。そこで重要なのが、ネットワークによる情報の共有です。分散した艦艇同士がネットワークで結ばれれば、敵の攻撃を早期に察知し、これを最適な位置にいる艦艇が迎撃するという形で、発生する事態に対して一丸となって対処することができます。そして、SPY-6を搭載する艦艇同士であれば、これをいわば自己完結的に行うことができるため、アメリカ海軍にとってはなくてはならない存在になり得るというわけです。

【写真】喫水線の下も見える進水直前の「ジャック・H・ルーカス」

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