海自も導入か 水上戦術をガラリと変える艦艇用レーダー「SPY-6」…何ができるの?

「兵器における高度情報化」の波が陸海空問わずあらゆるものに及ぶなか、艦艇用のレーダーがまたひとつ進化のステップを上がろうとしています。水上戦術が一変するかもしれない「SPY-6」、どういったものなのでしょうか。

「SPY-6」の動静が日本も他人事ではない理由

 これは日本にとっても他人事ではありません。たとえば台湾有事と連動して日本が中国から攻撃されるという事態を想定すると、当然、海上自衛隊はアメリカ海軍と連携して作戦を実施することになります。そうしたなか、アメリカ海軍の艦艇と海上自衛隊の護衛艦とが密に連携できるかどうかは、中国軍による対艦ミサイル攻撃などへの迅速な対処の可否に大きく関わってくるのです。

 現在、海上自衛隊では3種類のイージス艦、「こんごう型」「あたご型」「まや型」を運用しており、このうちあたご型とまや型に関しては、SPY-6を搭載することが可能かもしれません。というのも、現在アメリカ海軍では既存のアーレイバーク級ミサイル駆逐艦フライトIIA、すなわち先述したフライトIIIよりも古いタイプですが、これに対するSPY-6の搭載を予定しており、既存の艦艇でもSPY-6の搭載は可能と見られるのです。

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海上自衛隊のイージスシステム搭載護衛艦「まや」(画像:海上自衛隊)。

 また、SPY-6は搭載する艦艇の規模や能力などにあわせてその大きさを変更することが可能であるため、こうした点を踏まえれば、これらのイージス艦へのSPY-6搭載もあながち不可能ではないといえるでしょう。

 先日、来日したアメリカのバイデン大統領を迎えての日米首脳会談においても、日本の防衛能力向上についての発言が注目を集めました。そのために必要な日米の相互運用能力向上の柱として、このSPY-6は今後、大きな注目を集めることになるでしょう。

【了】

【写真】喫水線の下も見える進水直前の「ジャック・H・ルーカス」

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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