「当機はまもなく車輪を降ろします」 パイロットが「操縦席の現状を生解説」するJAL便に乗った
JALが本物のパイロットがコクピットから、機内の状況をリアルタイムで解説しながらフライトするチャーター便を運航。その便に搭乗取材をしたところ、普段の便ではできないようなファン向けの工夫が多数ありました。
JALパイロットが「本気で企画」
乗客として旅客機に乗るとき、コクピットに座るパイロットがどのようなことを考え、どういった操作をしているのか――乗客が当該便運航の裏側をリアルタイムに知ることは、ほとんど不可能です。そのようななか、JAL(日本航空)が2022年6月11日、本物のパイロットがコクピットから、それらをリアルタイムで解説しながらフライトするチャーター便を運航しました。
「『RWY35,Clear to land.』。いま、ランウェイ35(北海道・帯広空港の滑走路に北向きに進入)への着陸許可を得ました。当機はまもなくギア(車輪)を降ろします」。これはこのチャーター便の着陸直前で機内に流れたアナウンスの一例です。
このフライトは、JALパイロットが「本気で企画した」という日帰りツアーの一環で実施されました。ツアーは、羽田空港から帯広空港へフライトしたのち、現地にある「パイロットの原点」という航空大学校帯広分校を“卒業生”であるボーイング737のパイロットとともに楽しんだのち、日帰りで帰京するというものです。
使用する飛行機は、ボーイング737-800国際線仕様機(V40仕様。機体番号JA317J)。同便は航空ファンや家族連れなど約110人の乗客を乗せ、羽田空港を11時40分に出発しました。パイロットによるリアルタイム解説は、離陸前のエンジンスタートの説明から始まります(操縦担当とは別に解説担当のパイロットが同乗)。乗客には、パイロットの裏話や、フライト中どのようなことを考えているかといった解説や、空港からの離陸方式、着陸方式などを細かく記載した「しおり」も配布されています。
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