JALの歴史も変えた新世代機「エアバスA350 XWB」 末尾の謎型式名「XWB」が示す紆余曲折とは
日本の民間航空の歴史も変えた「A350 XWB」
2019年9月、JAL(日本航空)の国内線で「A350 XWB」の標準タイプ「A350-900」が就航しました。世界2大旅客機メーカーとして知られる、エアバス社とボーイング社ですが、実はJALが同社から旅客機を新造導入したのは、その長い歴史においても、この「A350 XWB」が初めてでした(他社のエアバス機を引き継いだことはあり)。
導入時JALの赤坂祐二社長は、その理由を「(これまでのフラッグシップ機である)ボーイング777の置き換えを考えたときに、タイミング的にA350 XWBがマッチした。ボーイングだから、エアバスだからということではなく、飛行機そのものの性能を見て判断した」とコメントしています。
A350-900の導入に際し、JALでは国内線客室の仕様を従来から全面刷新。客室入り口にはJALのトレードマーク「鶴丸」があしらわれ、全席に個人モニターやUSBポート、電源コンセントを装備。シートの形状も全クラスで新たな仕様のものを導入しました。2022年6月現在では、16機のA350-000が国内線の高需要路線に投入されています。
また、今後JALでは、「A350 XWB」の胴体延長タイプ、A350-1000を国際線へ就航させることを決定しており、将来的にはこのシリーズが、国内・国際両面でのフラッグシップとなる予定です。
このほか、「A350 XWB」は2021年、貨物型の「A350F」の開発も正式発表され、そのレパートリーを増やしつつあります。
「A350F」のペイロード(運搬能力)は109t。この値は「ジャンボ・ジェット」をベースとしたボーイングの「747F」と同容量で、現在製造中のボーイング社の主力大型貨物機「777F」より、3t多い容量を持つとのこと。一方で、燃料消費量については747Fの40%減、777Fの20%減をうたい、整備コストも従来比で1600万米ドル(約18億2500万円)削減できるとアピールしています。
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