JALの歴史も変えた新世代機「エアバスA350 XWB」 末尾の謎型式名「XWB」が示す紆余曲折とは
2013年6月14日は、ヨーロッパ・エアバス社が製造する大型ジェット旅客機「A350 XWB」が初飛行した日です。この旅客機は、どういった経緯で開発されたのでしょうか。
当初はA330ベースの新型機案だったが
2013年6月14日は、ヨーロッパ・エアバス社が製造する大型ジェット旅客機「A350 XWB」が初飛行した日です。運用は2015年から開始され、現在でも順調に製造機数を増やしつつあります。ただその開発経緯は、決して順風満帆とはいえませんでした。それをある意味示しているのが、型式末尾の「XWB(eXtra Wide Body、エクストラ ワイド ボディの略)」の文字です。
実は「XWB」の3文字は、後付けされたもの。実はこのシリーズは過去に一度、計画が白紙になった過去を持ちます。
初代「A350」は、2002年にライバル、ボーイングが開発を始めた200席から300席クラス、複通路の新機種「7E7」(のちのボーイング787)と競るべく、2005(平成17)年に開発が発表されました。このときの「A350」は、エアバスの双発複通路機「A330」シリーズの胴体をベースに、新素材(複合材料)と新エンジンを採用した機体で、実際に注文も獲得しました。
一方「7E7」が発展したボーイングの「787」は、複合材料を多数採用しているほか、従来機から抜本的な見直しが図られた新設計を導入しました。こうしたライバル機の動向から、「A350」もA330の発展バージョンを取りやめ、新設計機の開発に乗り出すことに。結果完成したのが現在の「A350 XWB」です。「XWB」の名前は、新設計の採用で、従来機、そして787(5.49m)より広い、最大約5.61mの客室幅をアピールするためとされています。
なお、以前、「A350」で発表されていた、A330シリーズの胴体をベースにした進化系に相当するモデルはA350 XWBの試験飛行が終わったのち、「A330neo」として着手され、デビューしました。
そして、この「A350 XWB」はここ日本の民間航空の歴史においても、転換点となった旅客機でもあります。
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