「CO2が資源になる時代」近い? 日韓の造船競争が激化する「液化CO2運搬船」とは
排出CO2を有効利用する世界の実現へ向け、造船業界では「液化CO2運搬船」をめぐり日本勢と韓国勢の開発競争が加速しています。そもそもこの液化CO2、どのようなものなのでしょうか。
競争激化 これからの伸びが見込まれるLCO2輸送
カーボンニュートラル達成の切り札とも言われているCCUSは、CO2削減に悩むさまざまな国や企業から注目を集めています。
ABSのクリストファー・ヴィエルニツキーCEOは海運の脱炭素化に向けた講演の中で「ネットゼロへの移行スピードは、炭素と水素のバリューチェーンの開発スピードに左右される」と述べ、「効率的な炭素回収・貯留技術なしには、2050年までにネットゼロを実現できない」との見解を示しました。
これまで石炭や石油、LNGといったエネルギー輸送で経済に大きな貢献を果たしてきた船舶が、環境分野にも活躍の場に広げる可能性があり、日韓の造船会社は需要を取り込むために熾烈な競争を繰り広げることになると見られます。ちなみに三菱造船は2020年にVLGC(大型LPG船)を引き渡して以来、ガス運搬船の新造からいったん遠ざかりましたが、LCO2船の建造は三菱重工下関造船所が手掛けるため、再び三菱製のガス運搬船を見ることができそうです。
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