【空から撮った鉄道】名古屋のちょっと面白い鉄道ジャンクションスポット
名古屋には様々な鉄道があります。その中からジャンクションをキーワードに、名古屋ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」の小幡緑地、東海交通事業城北線と楠ジャンクション、名鉄枇杷島デルタを紹介します。
この記事の目次
・名古屋ガイドウェイバスの高架区間は「軌道」
・城北線の前身は国鉄時代に計画された貨物線
・枇杷島分岐点での撮影はわずか数十秒
【画像枚数】全13枚
名古屋ガイドウェイバスの高架区間は「軌道」
2022年4月1日。桜を絡めて名古屋の鉄道を駆け足で追いました。いくつか巡ったなかで、ジャンクションをピックアップしましょう。日本で唯一のガイドウェイバス、楠ジャンクションと城北線、名鉄の枇杷島デルタ線です。
まずは、空撮用機体のベースとなる県営名古屋空港にほど近い名古屋ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」です。主として大曽根~高蔵寺間を結び、大曽根~小幡緑地間は日本唯一のガイドウェイバス区間となっています。ガイドウェイバスとは、バスの両サイドに案内輪を装備し、それがガイドレールに沿っていくため、ハンドル操作が必要ありません。ドイツなどの海外では地上区間もありますが、「ゆとりーとライン」では高架区間となっています。
高架構造である理由は、輸送力が増したら「ゆりかもめ」や「ポートライナー」のようなAGT(Automated Guideway Transit=自動案内軌条式旅客輸送システム)へ鞍替えする計画のためで、一見すると普通の路線バスが鉄道路線のように高架橋を走り、駅を停発車していきます。分類としては「軌道」に属し、法規ではトロリーバスと同じ扱いです。よって、運転手(運転士)は大型二種免許と鉄道の無軌条電車運転免許が必要です。
「ゆとりーとライン」の空撮は小幡緑地駅周辺にしました。この駅で高架区間が終わり、地上の道路を走るバスへと「変身」するのです。案内輪を格納するため、モードインターチェンジを設置しており、ETC専用インターチェンジのような簡素な構造となっています。ゲートの遮断機があるところで案内輪を格納し、ここからハンドル操作をしています。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。