空自のブルドーザー部隊? 空飛ばない「航空施設隊」とは ミサイルきたら大忙し

航空自衛隊には、飛行機を飛ばしたり、レーダー画面を見続けたりする隊員だけでなく、飛行場やレーダーサイトの復旧を担う土木作業のプロたちも存在します。彼らの役割と、意外な任務について話を聞いてきました。

冬場の除雪作業も基地機能を守るため

 ただ、隊員の説明によると、近年は航空攻撃そのものの方法が変わっているため、航空施設隊の復旧作業もそれに応じて変化しているといいます。具体的には、ひと昔前の飛行場攻撃というと、爆弾も無誘導のものが主流だったため、滑走路や誘導路、エプロン(駐機場)に直撃する爆弾の数は少なく、そのぶん1発あたりの威力が大きく、巨大な穴がいくつか開くといった感じだったそう。

 しかし、近年はミサイル攻撃がメインになり、なおかつ爆弾も精密誘導可能なものが主流になっているため、攻撃を受けた場合は中小口径の穴が無数に開くといった感じになるとのこと。そのため、大人数で力を合わせて大穴を埋め戻すというよりも、少人数ごとにチームを組んで複数の穴を同時並行でふさいでいくやり方が増えるだろうとの話でした。

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滑走路に開いた大穴(想定)を埋め戻す訓練を行っている中部航空施設隊第1作業隊の各種車両(柘植優介撮影)。

 近年では被害復旧に用いるコンクリートも、より短時間で強度を得ることが可能な超早強コンクリートが導入されているといいます。通常のコンクリートは、使用に耐えうる強度まで固まるまで数週間かかるのに対し、超早強コンクリートはわずか数時間だそうです。ただ、そのぶん気温や湿度で大きく変化するデリケートな資材であるため、材料となる専用セメントだけでなく、水や砂利などを適切な量で配合し、ミキサーの回転スピードも最適な状態を維持する必要があるとのこと。

 そのための専用ミキサー車の運用も始まっているといい、中部航空施設隊でも常に、効果的な滑走路復旧のやり方を研究しているそうです。

 このように、航空施設隊は、航空自衛隊の基地施設の維持・復旧がおもな任務になります。その一環で、降雪地にある基地の除雪支援も任務の1つとして行っています。そのため、中部航空施設隊の第1作業隊も佐渡分屯基地(新潟県)の除雪支援で派遣されるそうです。これもまたレーダーサイトの機能を維持するということで、重要な役割だといえるでしょう。

【了】

【圧巻の早ワザ】中部航空施設隊の超速埋め戻し訓練の様子

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