戦車ってブルドーザーになる?“ドーザー付き”車体の役割 東日本大震災では重用されるはずが…

陸上自衛隊の戦車の一部には、ブルドーザーのような排土板を付けた車体があります。パワーのある戦車は確かにブルドーザーの代わりにもなりそうですが、排土板は実際どんな用途なのでしょうか。

ご指名で派遣される?

 排土板は前出の通り油圧で動かしますが、そのための配管など整備すべき項目が増えるため、メンテナンス性などはドーザーなしの車体よりも明らかに劣ります。そういったことから、ドーザー付きの車体も、状況によってはドーザーを外して運用されることもあるといいます。逆に、ドーザーのない車体にこれを後から増設するのは、車体自体の形状変更や構造変更も伴うため基本的に無理とのこと。

 90式戦車や10式戦車は、ドーザー付きの車体と、装備していない標準車体で車体前面形状からして違うというので、見比べてみると、ドーザー付きの車体はヘッドライトの位置やマッドガード(前部ゴムカバー)の大きさも違っていました。

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ドーザ装置付きの74式戦車(柘植優介撮影)。

 ドーザー付きの車体は、おおむね1個戦車中隊に1両ずつ配備されているそうです。1個中隊は10両強からなるため、90式戦車の場合では全341両中、1割弱の30両程度ではないかとのことでした。

 なお、過去には74式戦車のドーザ装置付きが災害派遣で出動したこともあるといいます。それは2011年3月の東日本大震災で放射能漏れを起こした福島第一原発に対してで、このときメルトダウンを防ぐために自衛隊の化学科部隊や消防車らが派遣されていましたが、周辺の放射線量が高いため通常のブルドーザーでは安全に作業することが難しかったためだそう。

 万一、道路啓開(進入路を切り開くこと)などのため原発敷地内のがれき撤去が求められた場合、高い放射線防護能力を有している74式戦車のドーザー付きであれば、ブルドーザーの代わりを務められると見込まれて派遣されたそうです。

 3.11のとき白羽の矢が立ったのは静岡県御殿場市の駒門駐屯地で、そこからドーザー付きの74式戦車2両が、78式戦車回収車1両とともにトレーラーで運ばれ、福島第一原発近傍のJヴィレッジに派遣されました。ただ、間もなくリモコン操作式のブルドーザーが投入されたため、実際に作業を行うことなく撤収しています。

【了】

【写真】福島第一原発事故で災害派遣された74式戦車

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コメント

1件のコメント

  1. ギミック的にはかっこいいけど、実用性は低いってことですね。

    そもそも排土板という名称からして土木工事を行うというより、進行の邪魔になっている土砂を排除して後続に道をつくるくらいの感じではないでしょうか。

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