「防衛品は稼げない」払拭なるか 相次ぐ国内メーカー撤退→装備運用に懸念 国は新機軸の対策

日本の防衛装備品にとって重要なメーカーがまたひとつ、防衛関連の事業から撤退しました。同様に国内大手企業が撤退するケースが相次いでおり、装備品の運用への影響が懸念されています。なぜこうなってしまったのでしょうか。

「儲かりません」「輸出も進みません」

 欧米諸国などでは軍用機を調達する際、何年間で何機を調達するかを明確にした上で発注される事が多いのですが、日本では概ね5年間を見込んだ中期防衛力整備計画の期間中に何機、という形でしか明らかにされていません。これでは何年後まで生産ラインやサプライチェーンを維持しなければならないのかがわからず、企業は長期的な事業計画を立てにくくなります。

 また、日本の製造業の平均利益率は7.2%とされていますが、航空宇宙産業に携わる企業などで構成される民間公益団体、日本航空宇宙工業会の村山 滋会長(当時)は5月31日に行われた会見で、防衛用航空機の利益率が7.2%に達していないことを明らかにしています。

 こうした理由により、防衛事業から撤退する企業は増加しており、三井E&S造船、横河電機、AGC(旧旭硝子)といった大手企業が次々と手を引いています。これらの企業は事業を継承する企業が見つかりましたが、今後も撤退企業が増加すると、事業を継承する企業が見つからず、結果として航空機を含め、自衛隊の装備品の運用に支障をきたす可能性が高くなると思われます。

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護衛艦くまの。三井E&S造船の玉野艦船工場で進水したが、その後同社は艦艇事業から撤退(画像:海上自衛隊)。

 装備品の調達計画の明確化や利益率の改善も喫緊の課題ですが、国内防衛産業基盤の維持と育成を図る上では、防衛装備品とその技術の海外への移転、すなわち輸出も避けては通れない道であると筆者は思います。

 日本政府は2014年4月に、防衛装備品の海外輸出を可能にする防衛装備移転三原則を制定しています。しかし、それから8年が経過した現在も、海外への防衛装備品の輸出実績は、2020年8月にフィリピンとの間で成立した三菱電機製の警戒管制レーダー1件しかありません。

【フィリピン輸出のレーダー現物も】フランスの見本市ユーロサトリでアピールされた日本の装備品 写真で見る

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コメント

2件のコメント

  1. これだけ手を引かれた状態になって今更呼び戻し策を講じたところでどれ程の企業が応じるのでしょうね?

    親方日の丸をカサに薄利多売を散々やらされて、高級幹部の天下りの受け皿をさせられて漸く手切れ話になったのにって考えるのは私だけでしょうか?

  2. ウクライナの戦争で装備の入れ替え需要が見込まれます。

    東側装備の置き換えの波に乗れればいいのですが。

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