日本も関与 イギリス将来戦闘機「テンペスト」5年以内に初飛行へ 英国防相が明言

より一層の参画を日本に求めるアピールか。

「テンペスト」戦闘機の就役は2035年予定

 イギリス国防省のベン・ウォレス大臣は2022年7月18日、新型戦闘機「テンペスト」のデモ機について、5年以内に飛行することを目指していると明らかにしました。

 ウォレス大臣は、デモ機の開発についてはイギリスが開発を主導するものの、パートナー国である日本やイタリアと共通の利益を追求して、パートナーシップに関するオプション部分を検討するためにコンセプトの分析を実施するとしており、今回の発表に関して改めて次のように述べています。

「我が国がイタリアや日本とともに、共通の戦闘機プログラムの旅路にあることを嬉しく思います。このような最先端技術に関する日本やイタリアとの協力は、同盟関係のメリットを世界中に示しています。デモ機の設計と開発は重要な達成点(マイルストーン)であり、我々のエンジニアやプログラマー、ソフトウェア開発者たちの成功と優れた能力を示すものです。このプログラムは、今後も英国内の多くの優秀な人材に活躍の機会を提供していくことでしょう」

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イギリスが開発を進める将来戦闘機「テンペスト」のイメージCG(画像:チームテンペスト)。

 これに対し、実際に開発を担う防衛産業大手BAEシステムズのトップであるチャールズ・ウッドバーンCEO(最高経営責任者)は、次のように述べています。

「我々は、信頼性の高い自国の航空戦力を提供する責任を認識しています。当社は、イギリス空軍とその同盟国が、相手よりも優れた能力を獲得できるよう、新技術を統合しつつ、イギリスの将来的な航空戦力のイノベーションを加速させるために、国内のとても意欲的かつ高い技術を持つサプライチェーンと提携していきます。このデモ機の開発は、経験豊富なエンジニアや若いエンジニアに、国防と安全保障に関わる重要な取り組みに貢献するという一世一代の大舞台を提供します」

「テンペスト」プログラムは、将来への野心的ビジョンを示したイギリスの「戦闘航空戦略」を受けて2018年に始まりました。計画にはイタリア、日本の他にスウェーデンも参加するとしており、イギリス、イタリア、スウェーデンの3か国は2020年12月に共同開発に関する覚書(MOU)に調印しています。

 一方、日本とイギリスも2022年2月には将来戦闘機へ搭載する次世代RFセンサーシステムの技術実証の共同研究について合意しているほか、同年12月には次期戦闘機用エンジン実証機(デモンストレーター)の開発・提供を、ロールスロイスとIHIの共同で実施することを明らかにしています。

 なお、説明によると「テンペスト」は5年以内の初飛行ののち、2035年に就役する予定です。

【了】

【ついに公開】新型戦闘機「テンペスト」の胴体部分ほか

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