ブルーインパルスも愛用 空自のワークホース飛行機「T-4」初飛行-1985.7.29
当初は外国製エンジンの搭載も検討
搭載エンジンは当初、フランス製のスネクマ/チュルボメカ「ラルザック」ターボファンが検討されていましたが、開発途中の1982(昭和57)年に石川島播磨重工製のXF-3を搭載することが決定。これによりT-4は純国産機となることが決まります。
こうして製作された試作機「XT-4」の試作初号機は1985(昭和60)年7月29日に初飛行に成功すると、同年12月12日に防衛庁(当時)へ納入。その後、航空自衛隊で各種試験を行ったのち、1988(昭和63)年7月28日に防衛庁長官の部隊使用承認を受けて、T-4として量産が始まりました。
T-4の総生産機数は212機(試作機4機含む)。この数は、国産ジェット機としては最多を誇ります。なおライセンス生産を含んだ場合はF-86F「セイバー」やF-104J「スターファイター」、F-15J/DJ「イーグル」といった戦闘機が上回ります。
配備先は教育飛行隊が所在する松島基地や浜松基地、芦屋基地だけでなく、戦闘機部隊が所在する基地などでも支援機として少数ずつ分散運用されているため、日本全国でその姿を見ることができます。
また、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が使用している機体でもあることから、見たことがある人の多い自衛隊機ともいえるでしょう。
ちなみに、1997(平成9)年4月には「ブルーインパルス」初の海外遠征としてアメリカ本土のネリス空軍基地で飛行展示を行っています。このときは船積みで日本とアメリカのあいだを往復しており、その点でも他の国産ジェット機とは異なる「レアな経験」をした飛行機だといえるかもしれません。
【了】
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