真ん前に射撃できない戦闘機「デファイアント」初飛行-1937.8.11 あだ名は「うすのろ」

戦闘機なのに前方機銃を持っていないのには理由がありました。

自由自在に射撃方向変えられる旋回銃座があだに

 こうして、1937(昭和12)年8月11日に初飛行した「デファイアント」はイギリス空軍に採用され、第2次世界大戦勃発直後の1939(昭和14)年10月から部隊運用をスタートさせます。

 翌1940(昭和15)年5月12日には初めての空戦をドイツ軍機と行い、初の撃墜も記録しました。ただ、このときは爆撃機相手であったため良かったものの、その後、Bf109戦闘機と会敵するようになると、途端に負け戦が多くなっていきました。

 なぜなら、ふたり乗りで大型の旋回銃座を装備することで、機体重量が同クラスの戦闘機と比べて重かったため、ドイツ軍戦闘機と戦った場合、スピードは遅く機動性も悪いことから太刀打ちできなかったのです。

 しかも、操縦手と射撃手の連携が取れていないと照準すらままならず、激しい空中戦のさなかに理想の射撃位置につくのもひと苦労だったといわれています。加えて前方機銃がないため、向かい合った際など、正面戦闘に対して脆弱というのも欠点として抱えていました。

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「デファイアント」戦闘機の旋回銃座(画像:イギリス空軍)。

 こうして、昼間戦闘機として不適の烙印を押された「デファイアント」は、夜間戦闘機に転用されます。ただ、そこでも同機は操縦手と射撃手に明確に役割分担されていたため、レーダー手をどちらかに受け持たせることができず、他の夜間戦闘機ほど有用とは見なされませんでした。

 なお、このような戦闘機であるため、イギリス空軍のパイロットたちは同機のことを「うすのろ」や「馬鹿」といった意味を含む「Daffy(ダフィー)」と呼んでいたようです。

 結局、「デファイアント」は1942(昭和17)年には早々と戦闘機としては使用されなくなり、支援機として各種訓練や標的曳航、洋上救難などに用いられました。またレーダー妨害装置を積んで電子戦機としても使われています。

 ちなみに、「デファイアント」を最後まで運用していたのはインド空軍で、第2次世界大戦終結後の1946(昭和21)年1月末まで現役だったそうです。

【了】

【写真】編隊飛行する「デファイアント」戦闘機ほか

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