旅客機「着陸やり直し」なぜ起こる? 荒れ模様の空で体験 気持ちを落ち着かせてくれたアナウンス

着陸前の旅客機が、滑走路手前で着陸をやり直すことがあります。「進入復行」や「着陸復行」と呼ばれる珍しいオペレーション、それを実際に体験することができました。

「着陸やり直し」実際の記憶

 羽田空港へ降下していた搭乗便の眼下にも雲があり、地上は見えません。「まだ降りないのかな」と外を見たときに、雲の切れ間から通過するB滑走路端が突然見えました。「高い」。と思ったのと同時に、エンジン音が大きくなり背中が軽く座席に押し付けられました。機体が上昇を始めたのです。

「着陸をやり直すんだ」。瞬間に分かりはしましたが、果たして本当にそうなのか。上がったエンジン音に一瞬恐怖を感じ、声を押し殺していると、担当する客室乗務員から「着陸やり直しの連絡が機長より入りました。詳細は分かりましたらお伝えします」とアナウンスが。ほどなくして、「視界が悪いため、着陸をやり直します」と続きました。

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八丈島空港。天候が荒れやすいことから「着陸の難所」と呼ばれる空港のひとつだ(乗りものニュース編集部撮影)。

 上昇した機体は、右旋回をして一定の高度で飛び、再度の進入で羽田空港に降りました。窓外の雲の様子や「視界が悪かったため」というアナウンス内容から、このフライトで実施された操作は、進入復行だったのでしょう。

 頭で着陸をやり直すと理解できても、「もしかしたら何か異常が」と、落ち着かない気持ちを安心させてくれたのが、客室乗務員のアナウンスでした。上昇とアナウンスはほぼ間髪をおかずでしたので、不安は大きくならず、客室内も着陸まで静かでした。

 この便では、フライトそれ自体の安全の確保もちろんのこと、普段の運航にない場面が起きた際、乗客をどのように安心させるかという意味で、「安全の確保に、精神的も安心も欠かせない」と感じたことを記憶しています。

【了】

【航路図】着陸やり直しを実施した旅客機、実際の航跡

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