機内安全ビデオのはずがフィットネスが始まる…!? ぶっ飛んだ安全ビデオが生まれる背景

もはや飛行機出てこない映像も

 ミュージカル好きな方にオススメなのは、今はなきヴァージン・アメリカ航空(アラスカ航空と統合)の機内安全ビデオ。さすがミュージカルの聖地アメリカの航空会社、全編ミュージカルで製作されています。36人のダンサーが機内に見立てたセットの中で素敵なパフォーマンスを披露しています。同じグループだったヴァージン・アトランティック航空のビデオは、アニメファンにおススメ。上質なアニメ映画を見ているかのようなクオリティです。

 日本の航空会社にもユニークなものがあります。2021年11月までANA(全日空)で流されていた日本の伝統芸能、歌舞伎をモチーフにした機内安全ビデオは、クールジャパン・マッチングアワード2019でグランプリを受賞しています。それ以降は、日本語の手話だけでなく国際手話も盛り込んだ内容のものに変更されました。

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ANAの歌舞伎をモチーフにしたビデオの撮影風景。2018年(恵 知仁撮影)。

 なかには、「実際の飛行機が一切登場しない」という機内安全ビデオも。シンガポール航空は、シンガポールの名所を紹介するビデオのなかに、さりげなく、安全設備のハウツーを盛り込んでいます。ボートの客席のシートベルトを締めるシーンで、シートベルトの締め方を紹介したり、公園のベンチで“衝撃に備える姿勢”のデモンストレーションを行ったり――。こちらも優雅な映像として話題です。

 他にも多くのユニークな機内安全ビデオがYouTube上で公開されています。是非、世界各国の航空会社の飛行機に乗った気分でお楽しみください。

【了】

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Writer: 西田伸昌

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