『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』その後 相次ぐ路線廃止で年々難しく 特に厳しい県境越え

バス会社ごと撤退、乗り継ぎ困難に

 バス事業者が撤退したことによる廃止もあります。

●井笠鉄道(井鉄バス)倉敷線:第3弾(2009年3月放送)

 井笠バスは放送終了後の2012年に会社を清算、全路線撤退を打ち出しました。その後広島県側に本拠地を持つ中国バスなどがいったん路線を引き受け、主要路線は新会社「井笠バスカンパニー」に引き継がれたものの、番組に登場した倉敷線(倉敷駅~矢掛)はそのまま廃止されました。

 その後、2016年放送の第24弾では、太川陽介・蛭子能収コンビが前回利用した路線が既にないことを知り、笠岡市~寄島町の別ルートで約4kmを徒歩移動することに。途中で時刻表付きのバス停を太川さんが発見、狂喜乱舞したところ地元の人に「もう廃止されている(撤去されていないだけ)」と教えられ、憮然とする場面も見られました。

 また第22弾と“Z“13弾に登場した長野県佐久市、第7弾に登場した新潟県胎内市(旧・新潟交通中条営業所管内)など、地域の路線バスそのものの消滅で、番組のルートとしての再登場が難しそうな地域も増えてきました。

乗り継ぎが困難になったルート

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関越交通の猿ヶ京温泉車庫、過去作品に登場した(宮武和多哉撮影)。

●関越交通 高崎駅~渋川駅~沼田支所~猿ヶ京温泉:第13弾(2013年1月放送)
●名鉄バス・岐阜バス「川島」「川島松倉」乗り継ぎ:第23弾(2016年6月放送) ほか

 順調にバスを乗り継げていたルートでも、第13弾に登場した高崎市~みなかみ町ルートのように、沼田市内の区間の大幅減便で、途中の「上野入口」で乗り継げなくなった場合も。また過去に複数回登場している岐阜県川島町の「川島松倉」バス停では、岐阜県側のバスのルート上にあった木曽川に架かる川島大橋に傾斜が見つかり、全面通行止め・架け替えのためJR岐阜駅方面の路線が廃止。代わって名鉄笠松駅方面への路線が開設されたものの、バス路線が集中する岐阜駅方面への乗り継ぎは迂回が必要です。

 このほか、長野県塩尻市の自治体バス「すてっぷくん」全路線が2024年までにAIデマンドバス(予約制・AIでルートを決めて運行)に転換される見込みです。諏訪地方と松本の中間にある要衝・塩尻市から路線バスが消滅すると、甲信越地方でのルート設定が今後かなり難しくなりそうです。

【写真】「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を救った“神路線&ロング路線”

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コメント

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1件のコメント

  1. そもそも"路線バス”の多くの目的が都市間連絡ではなく、
    拠点となる鉄道駅から鉄道の恩恵が無いエリアへの補完である。
    「不便になった」と言われても想定外の用途で使用されては不便なのは当然では?