『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』その後 相次ぐ路線廃止で年々難しく 特に厳しい県境越え

新作・第19弾の見どころ!

 各地で環境が変わる中で、最新作の“Z”第19弾は群馬県・谷川岳ロープウェイ~山形県・銀山温泉間を4日間で移動します。なお前回(第18弾・石川県・輪島~静岡県・御前崎)は失敗に終わっているため、連敗の場合は番組ルールに基づき、田中要次さん・羽田圭介さんのコンビは即引退となります。

 もし今回、福島県内を「中通り」(内陸部・東北本線沿い)に郡山市~本宮市~二本松市と移動するのであれば、第5弾に登場した本宮市生活広域バス・岳温泉方面が2022年に廃止となっているため、徒歩は必須となります。しかしその一方で郡山市から商業施設「フェスタ」を経由して本宮市を直接結ぶバス路線が2019年に開業しており、第25弾で太川さん・蛭子さんが4km歩いた郡山・本宮の市境越えは、この路線を探し当てることができれば必要ありません。

 なお郡山市~二本松市中心部の知られざる乗り継ぎ経路として、郡山駅から磐越東線 引駅、二本松市百目木、小浜と4回乗り継ぐルートも。ぐうの音も出ないほどの遠回りですが、接続が良ければ3時間ほどで移動でき、長い徒歩連絡の必要ありません。こういった“抜け道ルート“を探りつつ「あぁ田中さん羽田さんそっちダメ!」とテレビの前で勝手に突っ込むのも、番組の楽しみとして“アリ“でしょう。

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野辺地駅前のバス乗り場と松浦食堂(左奥)は、番組に何度も登場した。2015年(宮武和多哉撮影)。

 この他にも東海道線沿いでは番組に登場した富士急バス・遠鉄バスの廃止が相次ぎ、この後も青森県東北町で路線バスの廃止が検討されるなど、実際に追体験できるルートは減少していきそうです。番組に何度も登場した青森県・野辺地駅前の「松浦食堂」閉店など、バス以外の地域の環境も刻々と変わりつつあります。地域の風景・歴史を振り返る意味でも面白いこの番組、ロケ地を放送後に後追いで巡ってみるのも一つの楽しみかもしれませんが、くれぐれも、行くならお早目に。

【了】

【写真】「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を救った“神路線&ロング路線”

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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1件のコメント

  1. そもそも"路線バス”の多くの目的が都市間連絡ではなく、
    拠点となる鉄道駅から鉄道の恩恵が無いエリアへの補完である。
    「不便になった」と言われても想定外の用途で使用されては不便なのは当然では?