ミステリー? 露陣地に撃ち込まれた米製対レーダーミサイルの謎 誰が? 何から?

ウクライナ侵攻を続けるロシア軍陣地へ撃ち込まれたアメリカ製ミサイルが物議を醸しています。アメリカがウクライナへの供与を認めたものの、現時点でウクライナ軍が撃てるはずのないミサイルだったからです。その真相に迫ります。

残る謎 AGM-88は誰がどこから撃ったのか

 ウクライナのレズニコウ国防相は7月25日にアメリカから対レーダーミサイルを受け取ったと語っていましたが、アメリカからのコメントは無く、信ぴょう性が疑われていました。冒頭の、8月7日になされたSNS投稿の翌8日になって、アメリカのコリン・カール国防次官は「航空機から撃てる対レーダーミサイル」をウクライナに供与したと述べました。何をどれだけ供与したかは明らかにしませんでしたが、CNNの報道によると、国防当局者は供与したミサイルがAGM-88だと認めたそうです。

 しかしいくつもの不可解な点があります。「誰が」「何から」撃ったのか分からないのです。

 まず、ウクライナはAGM-88の使用について、公式には何もコメントしていません。さらに、AGM-88は航空機から発射する空対地ミサイルですが、発射できるのはF-16C/D、F/A-18C、F-15E、F-35、トーネードなど西側製機体で、ウクライナ軍はこれらを持っていません。

 では、どのような「ことの真相」が考えられるでしょうか。

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ウクライナ空軍博物館に展示されている旧ソ連製Kh58対レーダーミサイル(画像:George Chernilevsky、Public domain、via Wikimedia Commons)。

 西側のどこかの空軍が撃ったとすれば直接介入となり、ロシアとの武力衝突に拡大するリスクが高く、現時点で西側がそんな無茶をする理由はありません。また、ウクライナはF-16を要求していますが供与されたという情報はありませんし、準備時間に無理があります。ウクライナ軍の機体で使える旧ソ連製Kh-58対レーダーミサイルをAGM-88に偽装したという可能性もありますが、偽装する意味が分かりません。AGM-88は地上から発射した例があるものの、本来、空から発射する空対地ミサイルですので地上からでは探知範囲が大幅に小さくなり実用的ではありませんし、先にカール国防次官が「航空機から撃てる対レーダーミサイル」と述べたこととも矛盾します。SNS投稿がロシアによる、AGM-88の部品を示すことでアメリカを非難するためのフェイクとも考えられますが、アメリカ自身がすぐに供与を認めてしまっています。

【画像】これは難物かも…ロシア軍のS-400防空システムをさらに知る

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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