「陸羽西線」踏んだり蹴ったり? 道路建設で2年運休 代行バスは倍の2時間 なぜこうなった?

山形県のJR陸羽西線が2年間にわたり運休、バスによる代行運転が行われています。道路工事に伴う鉄道の長期運休という珍しいケースですが、現地に赴くと、鉄道の現状、そして新しい道路が求められている理由がわかりました。

所要時間が倍増 その理由

 運休前の陸羽西線は、酒田~新庄間を各駅停車でも66分で結ばれていました。かたや代行バスは120分少々、快速便でも100分弱と、大幅に所要時間が増加しています。

 その要因としては、庄内地方側での「鉄道駅への乗り入れの多さ」、そして全体的な「そもそもの道路の走りづらさ」にあります。

 まず庄内地方側の余目~高屋間では、狩川駅・清川駅などが待機場所として十分な設備を備えていることもあり、国道から外れて駅に立ち寄り乗客を拾うことで、所要時間が延びています。各駅間が鉄道で4~5分のところ軒並み10分程度、また羽越本線に乗り入れる酒田市内でも並行道路がないことから、区間によっては3倍近くに所要時間が伸びている場合もあります。

 代行バスの主なルートでもある陸羽西線沿いの国道47号は、最上川に沿ってカーブが多く、あまりスイスイと走れる道路ではありません。車道の路肩も50~75cmと狭く見通しも悪いこともあって、5年間の重大事故発生率は山形県内の他の国道に比べて5倍ほどに上ります。さらに、天候によっては川霧で視界が遮られるなど、この取材日(午後からゲリラ豪雨)に見かけたバスはことさらに安全運転を保っていました。

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高屋~古口間を走行するJRバスによる代行バス(宮武和多哉撮影)。

 また最上地方側の古口~新庄間は、バスが国道を外れてほぼ生活道路である県道34号に入るため、ここでも鉄道の2~3倍の時間を要しています。なお「新庄酒田道路」は古口駅の周辺で2.2kmのみ開通しているものの、新庄市内への残り区間は地滑り発生のため2022年度の開通が大きく遅れる見込み。代行バスもしばらくは現状のままでしょう。

 所要時間が一挙に伸びたことで、沿線地域から新庄や酒田、鶴岡といった都市への通院時間は長くなり、沿線の村営バスは大幅なダイヤ組み替えなどの影響も出ています。運休前の2021年には、山形新幹線と連動して庄内北前ガニや鮎の貨物輸送実験(6時に酒田を出て11時前に東京着)も行われていましたが、こうした取り組みは当面難しそうです。

【地図】「陸羽西線」を運休して建設する「新庄酒田道路」 画像で見る

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