「陸羽西線」踏んだり蹴ったり? 道路建設で2年運休 代行バスは倍の2時間 なぜこうなった?

山形県のJR陸羽西線が2年間にわたり運休、バスによる代行運転が行われています。道路工事に伴う鉄道の長期運休という珍しいケースですが、現地に赴くと、鉄道の現状、そして新しい道路が求められている理由がわかりました。

実は地域交通の影の主役?鉄道より賑わうスクールバス

 一方、鉄道の代行バス化による影響を受けない人々もいます。というのも、陸羽西線の沿線ではスクールバス・送迎バスがかなり充実しており、運転本数が少ない鉄道への依存が既に弱まっているのです。

 特に戸沢村は、東西を貫く鉄道が広範囲に住む小・中学生の通学動線に向いておらず、現在では9系統(うち2系統は朝のみピストン輸送)のスクールバスを運行。村内の小中学校を再編して2021年に開校した「戸沢学園」への通学を支えています。前述の新庄酒田道路の一部開通によって交通量が増加し、通学路が分断されたこともあってバスの系統を拡充、その際に新しく車庫の建設まで行われました。

 なお陸羽西線は戸沢学園のすぐ裏手を抜けているものの駅はなく、代行バスも駅のみをつなぐため、学校を経由していません。そしてスクールバスの大半の系統を運行する戸沢村のバス会社「最上川観光」は北隣の鮭川村でも総延長100kmを越えるスクールバスを運行しており、最上地方の交通における影の主役と言えるでしょう。

 他にも新庄東高校、鶴岡東高校などがそれぞれ広範囲に無料のスクールバスを展開し、鶴岡から新庄、新庄から鶴岡といった通学が可能となっています。これに加えて新庄徳洲会病院の通院向けの送迎バスもあるなど、陸羽西線がすでに需要を細かく奪われていたことがうかがえます。

Large 20220831 01
陸羽西線の第二高屋トンネル。上部にひび割れが生じている(宮武和多哉撮影)。

 ただ戸沢村は国道47号の事故多発地帯を抱え、スクールバスはここ数年で2回ほど事故に巻き込まれています。また戸沢村と同様にスクールバス網を持つ庄内町は、年間6300万のバス予算のうち3分の1が冬場の増便のために消えるという悩みも。

 こうしたこともあり、各自治体は、既存の国道の交通量を減少させる「新庄酒田道路」の開通を待ち望んでいます。

【地図】「陸羽西線」を運休して建設する「新庄酒田道路」 画像で見る

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス