空軍が訓練に使う「市販フライトシミュレーター」=ゲーム…? 驚異の再現度の秘密 開発者に聞く

仏空軍も認めた「ミラージュ2000」の高い再現性

 その結果、当初は米露の第4世代戦闘機が中心のフライトシミュレーターでしたが、今ではフランスやチェコといった他国の戦闘機や、第2次世界大戦のレシプロ戦闘機まで登場するようになりました。

 本作は見た目だけでなく、シミュレーターとしてのレベルも非常に高く、そのクオリティーの高さから、軍用機マニアだけでなく本物の空軍にも注目されています。その結果、なんと実際に戦闘機パイロットの訓練にも使われるほどになっています。

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「ミラージュ2000」戦闘機用のコックピットトレーナー。バーチャルで再現しているため、現実のコックピット筐体はシンプルな造りになっている(画像:RAZBAM Simulations. LLC)。

 DCS:Worldを実機の訓練に使ったのはフランス空軍です。外部会社のRAZBAM Simulations社が開発したDCS:M-2000Cというモジュールが「ミラージュ2000C」戦闘機を扱っていたことから、当時、実機を運用していたフランス空軍は、これをベースプログラムとして採用し、外部会社とともに訓練機材を制作しました(なお同空軍のミラージュ2000Cは2022年に退役)。

 フランス空軍は、もともと「ミラージュ2000」用の訓練シミュレーターを持っていましたが、非常に高価なために十分な数を導入できていませんでした。そこで民生品を活用して低コストの訓練機材を開発するため、このDCS:M-2000Cに注目したのです。ちなみにDCS:M-2000Cの販売価格は1本59.99ドル(日本円で約7800円)です。

 訓練に使われているシミュレーターは2種類あり、ひとつは操縦方法を学ぶためのコックピットトレーナー、もうひとつは編隊間の連携などを学ぶ戦術トレーナーです。

【まるでゲーセン…】チープさ漂う「ミラージュ2000C」用フライトシミュレーターの外観ほか

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