空軍が訓練に使う「市販フライトシミュレーター」=ゲーム…? 驚異の再現度の秘密 開発者に聞く

仏空軍お墨付きフライトシム 開発者の見方は?

 RAZBAM SimulationsのCEOであり、実際に開発にも関わっているロン・C・ザンブラノ氏が、フランス空軍に採用されたシミュレーターについて教えてくれました。

「シミュレーターはオランジュ=カリタ空軍基地の2 / 5 戦闘機飛行隊で使われていました。コックピットトレーナーは改良された物ですが、戦術トレーナーのプログラムは市販されているDCS:M-2000Cと同じです。改良箇所の詳しい構成については秘密保持契約があるため、詳細はお答えできません。しかし、DCS:M-2000C自体の再現性をパーセンテージで表すと、実機の97%までコピーできているといえます。我々はソフトの開発のために約3年を費やしましたが、収集した情報はセキュリティー的に問題のない機密解除されたレベルのものだけです」。

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「DCS: M-2000C」ソフトのゲーム内画面。実写よりの美しいグラフィックは、フェイク動画として使われるほどのクオリティー(画像:(C)1991-2022 Eagle Dynamics SA/ RAZBAM Simulations. LLC)。

 フライトシミュレーターのリアルさは、時として、初心者が楽しむには難易度がかなり高くなる場合があります。しかし、それでもファンが厚いマニュアルを熟読し、苦労して操縦方法を練習するのは、それが実機の操縦を模しているクオリティーの高さと、実機の操縦を体験したいという願望からだといえるでしょう。

 今回のフランス空軍の例から、ある意味でDCS:M-2000Cのリアリティーは部分的とはいえ、お墨付きを得たとも考えられます。本作は素人が簡単に楽しめるレベルではないかもしれませんが、本物の戦闘機の操縦を楽しみたいと思うなら、一度は挑戦してみるとよいのではないでしょうか。

【了】

【まるでゲーセン…】チープさ漂う「ミラージュ2000C」用フライトシミュレーターの外観ほか

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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