舗装の下にレールが!? やけに広い元「鉄道ターミナル駅」のバス停&車庫 廃止へ

もう1路線も廃線、自転車道になった東濃鉄道

 駄知の街では、今でも60軒以上の窯元が美濃焼を作り、「どんぶり生産日本一の街」として知られています。駄知バス停から町内を巡回するコミュニティバスは、その名も「駄知どんぶりバス」。車体前に掲げられた、フタを開けた瞬間のような丼のイラストが目印です。

 バス車庫から出て駄知の町並みを眺めると、陶磁器の卸問屋やかつての協同組合跡など歴史を感じさせる建物が目をひき、駅から全国に陶磁器が出荷されていた頃の賑わいぶりを彷彿とさせます。間もなく役割を終える駄知バス停やバス車庫を訪れたら、周辺をぶらぶらと歩くのも良いでしょう。

 駄知線の線路跡は、駄知駅周辺を含めて多くの区間が自転車専用道路として整備されています。また、5kmほど西側の多治見市笠原町では、東濃鉄道のもうひとつの路線「笠原線」(1979年廃止)跡の自転車道も。駄知と笠原、鉄道跡地のサイクリングロード巡りも良いのではないでしょうか。

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東濃鉄道駄知線の起点だった土岐市駅に停まる東鉄バス(宮武和多哉撮影)。

 なお駄知バス停やバス車庫は今後売却され、駄知バス停ならびに取付け道路の入口にあった駄知南山バス停の廃止後は、近くの一般道にある「長者町」「南山公園」バス停を利用することに。駄知バス停止まりだった系統は、こちらも鉄道駅跡を活用した東駄知バス停までの運行となります。

 ちなみに、東鉄バスの営業エリアでは2022年10月に「イオンモール土岐」開業、2025年に2ヶ所の総合病院を統合した新しい病院の開業などを控え、その路線網は今後大きく変わっていきそうです。

【了】

【地図】東濃鉄道駄知線の路線図&写真

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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