空自F-2とドッグファイトも!? 豪空軍「グラウラー」女性パイロットに聞く「トップガンと同じ場所を飛んだ」

まさかの『トップガン』ウラ話

 現地でインタビューに応じてくれたオーストラリア空軍のEA-18Gの女性パイロットは次のように教えてくれました。

「訓練の初期段階に航空自衛隊のF-2戦闘機とのBFM訓練が計画されました。残念ながら私たちの機体にトラブルが発生し、ミッション自体がキャンセルとなりました」。

Large 220913 ea18g 03

拡大画像

ダーウィン基地で駐機するオーストラリア空軍のEA-18G。同空軍では陸上機として運用しているが、駐機スペースを減らすために艦載機としての翼の折り畳み機能が活用されている(布留川 司撮影)。

「まるで映画『トップガン』みたいですね」と筆者が問いかけると、女性パイロットは別の面白い話を教えてくれました。「あの映画は私も見ました。最後のシーンで雪山を低空飛行するシーンがありますよね? あれはワシントン州の訓練空域で撮影されたのですが、実は私たちもそこで訓練を受けました。マーヴェリックたちが映画の中で湖を低空飛行し、背面状態で山を越えていましたが、あの場所は私たちも実際に見た光景です」。

 ワシントン州には米海軍のEA-18G飛行隊が所属する「ホイッドビー・アイランド」海軍航空基地があり、ここには乗員を育成する訓練部隊も存在しています。オーストラリア空軍もEA-18G導入時にここの訓練プログラムを利用し、アメリカ海軍のパイロットと一緒に訓練を受けたそうです。「あそこでの日々は、訓練そのものよりも、環境や互いのカルチャーに大きな差があると感じたことの方が強く残っています。アメリカ海軍のパイロットと、私たちオーストラリア空軍のパイロットでは、任務や組織だけでなく、もっと基本的な部分で異なっているようです」。

 EA-18Gが行っている電子戦は現代航空戦の核心部分に触れる任務であり、そのミッションなどの詳細情報の公開は厳しく制限されています。ただ、断片的な体験談を聞いていくと、その全体像がおぼろげに見えてきます。EA-18Gは電子戦機でありながらも、ベースとなったFA-18E/F「スーパーホーネット」のような戦闘機らしい一面もあるように筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は感じました。

【了】

【サングラス似合ってる!】トリビア話してくれた豪EA-18G女性パイロットほか

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。