新ミッドタウンの「バスターミナル東京八重洲」全貌 金は生まない? でも人の流れを生む

直接的には金を生まない バスターミナルは“何を”生み出すか

 記者会見に登壇した東京都中央区の吉田不曇副区長によると、今回の計画の発端は2002(平成14)年。東京駅周辺全体の再開発を話し合う委員会で、丸ノ内側に比べて「八重洲口の広場の交通容量が大きくない」と指摘されたことだといいます。そこから20年をかけ、民間主導による再開発ビルの地下のバスターミナルが日の目を見ることになりました。

 商業施設を運営する三井不動産から見ると、「1日90万人が利用する東京駅、15万人が通過する八重洲地下街、それに直結という得難い立地」(商業施設本部 アーバン事業部長 牛河孝之さん)だそう。

 ただ、中央区の吉田副区長は、施設としてみれば地下のバスターミナルは「採算性のあまりよくない床(フロア)」、UR都市機構も「バスターミナルを都心の一等地で運営するのは厳しいものがあるでしょう」といいます。URはバスターミナルを社会課題に対応するものとし、運営を長期的に見つめていくとしましたが、このビルのなかでバスターミナルそのものは、直接お金を生むものではないといえます。

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東京ミッドタウン八重洲外観。地下にバスターミナル東京八重洲(中島洋平撮影)。

 それでも、三井不動産のバスターミナルへの期待は大きいようです。

「従来は、駅や空港から当社の施設までどうお越しいただくかを考えてきましたが、ここは全国から直接、多くの人が訪れます。1日600便が発着し、イベントなどしなくても、人が絶えず移動する場所など、当社にはこれまでにありません。初めて東京に来て、最初に降り立ったのが当社の施設、という方もいらっしゃるでしょう」(広報担当)

 ちなみに、東京ミッドタウン八重洲には、もともとこの場所にあった中央区立城東小学校も入居しています。認定こども園や、地下4階には周辺へのエネルギー供給も想定した「八重洲エネルギーセンター」なども、直接的にはあまりお金を生まないものかもしれませんが、入居テナントからは「小学校と連携して何かをしたい!」といった期待も大きいそうです。

【了】

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