車に緑・ピンク・紫・黄色…受け入れられるの? “攻めた”カラートレンド 生まれる背景

欧米はもっと“攻めて”きている!

 今年は、白、黒、シルバーといった定番色の新しい解釈が打ち出されているほか、これまで自動車カラーではあまり使われなかったピンク、パープル系の色を世界のBASFのデザイナーが打ち出しているといいます。

 自動車メーカー側も、欧州では特に、緑系や茶色系など、中間的な色を新車に打ち出してきているとのこと。松原さんによると、これらはサステナビリティが重視される世の中において、“攻めた”提案をしているといいます。

 BASFが今回、欧州にフォーカスしたキーカラーとして打ち出したのは、「GRAVATAR(グラヴァター)」と呼ばれる黄色系の塗料。これは、天然由来の顔料を使用した、“ムラのある”黄色いものだそう。自動車塗料でムラはそれこそタブーであるものの、陶器など「自動車以外のものならば受け入れられる」といい、やはり“攻めた”提案だそうです。

 米州(南北アメリカ)のキーカラーとして打ち出された「LAVA(ラヴァ、溶岩)」は、素材の面で特徴が。黒系の塗料ですが、廃タイヤのカーボンブラックをリサイクルして使用しているそうです。そこに赤系のハイライトを加え、ミステリアスに輝く色として仕上げているといいます。

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2022-23カラーコレクション「NEW ARRAY(新しい様式)」(画像:BASFジャパン)。

 これらは、技術的にはまだ確立されていない部分もあるといいます。中間的な価値観や色が選択されるなか、サステナビリティを背景に、素材や技術の面でも、既存概念を打ち砕くような表現が生まれていくのかもしれません。

【了】

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