知られざる「日本の潜水艦輸出」その後 タイで“地中に埋まる”まで 乗組員は千葉で訓練

日本に一切保存されていない、戦前の日本製の潜水艦。それがタイに一部保存されています。タイにとって記念すべき艦であったとともに、戦前の日本とのつながりの深さを示すものです。

乗組員の訓練もセット その場所は千葉に

 三菱重工業は入札にあたって旧日本海軍と連携し、日本海軍の要員によるシャム王国海軍の潜水艦乗組員訓練も提案しており、これも国際入札で有利な要素となったものと思われます。

 旧日本海軍は1920年、広島県呉市に海軍潜水学校を設立し、潜水艦乗組員の教育訓練を行っていましたが、機密度の高い海軍潜水学校でシャム海軍の乗組員の訓練を行うことは困難だったようで、シャム海軍の乗組員は千葉県船橋にある船橋中学校(現在の県立船橋高校)などに滞在し、旧日本海軍から訓練を受けることとなりました。

 シャム王国海軍の乗組員の訓練は約4か月かけて行われ、その間乗組員は船橋中学校の運動会に参加したとも伝えられています。

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艦橋とともに保存展示されている「マッチャーヌ」の8cm単装砲(竹内 修撮影)。

「マッチャーヌ」と2番艦の「ウイルン」は1937年9月4日にシャム王国海軍へ引き渡されており、同海軍はこの日を記念日の「潜水艦の日」に制定。この記念日がタイ王国海軍にも継承されています。

 3番艦「シンサムッタ」と4番艦「プライ・チュンボーン」は1938年4月30日にシャム王国海軍へ引き渡され、4隻のマッチャーヌ級は旧日本海軍が教育したシャム王国海軍の乗組員の手で、台湾、フィリピンを経由してバンコクへ回航され、同年7月19日に就役しています。

 タイ王国は1940年にフランス領インドシナと国境紛争を起こし、この際マッチャーヌ級は哨戒任務に就きましたが、戦闘は行っていません。

【地図/写真】“すごくいい位置”で保存されている日本の潜水艦

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