デカくて豪華でエコ! ついに2隻並んだ「LNG燃料さんふらわあ」フェリーをどう変えるか

フェリーさんふらわあの大阪~別府航路へ投入される2隻の新造船「さんふらわあ くれない/むらさき」がついに洋上で肩を並べました。国内初のLNG燃料フェリーは、環境対応だけでなく、フェリーそのものの概念を刷新しそうです。

国内初のLNG燃料フェリー、まもなくデビュー

 商船三井グループの「フェリーさんふらわあ」が大阪~別府航路に投入する国内初のLNG燃料(液化天然ガス)フェリー「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」(1万7300総トン)が、2022年8月、「むらさき」の進水式にて海上で並びました。

 現在は両船とも艤装工事が進められており、1番船「さんふらわあ くれない」は2023年1月、2番船「さんふらわあ むらさき」は同4月を目途に就航する予定です。大型フェリーの新造で豊富な実績を持つ三菱重工業下関造船所(山口県下関市)が建造を担当しています。2隻のフェリーは、環境、旅客、物流などあらゆる面で新機軸をもっています。

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進水した「さんふらわあ むらさき」(手前)と、先に進水し艤装工事中の「さんふらわあ くれない」(深水千翔撮影)。

建造ヤードに収まりきらないくらいデカい!

 両船は1997年から1998年にかけて就航した「さんふらわあ あいぼり」「さんふらわあ こばると」(ともに9245総トン)の代替として発注されましたが、さまざまな点で既存船とは大きく異なる船となっています。

 まず船体の大きさは約1.9倍となる1万7300総トン。全長は既存船の153mに対して、夜間の瀬戸内海を航行できる最大級の船型である199.9mです。ちなみに三菱重工下関の建造船台の長さは191.96mなので、進水時は船首の一部が工場建屋の上にかかっている様子が見ることができ、その巨大さが伺えました。

 船体の大型化に伴って車両の積載能力は13mトラックで既存船の92台から約137台に増えています。これはトラックドライバー不足が深刻化する中、フェリー航送の需要が増加していることに対応するためで、ドライバーズルームを拡充するとともに、船内で快適に過ごせるよう十分なスペースを設けました。

 さらに近年では、トラックごとに人員を手配する必要がある陸上輸送から、トレーラーシャーシ(車台)とフェリーを活用して大量の荷物を運べる海上輸送に切り替える荷主が増えており、フェリーさんふらわあでも関連会社と協力し、トレーラーを利用したドア・ツー・ドアの一貫輸送サービスを提供しています。

【写真】でっかいLNGタンク捉えた! 海から見た艤装中の新造船

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