デカくて豪華でエコ! ついに2隻並んだ「LNG燃料さんふらわあ」フェリーをどう変えるか
豪華さは「過去最高」 大阪~別府航路に投入の意義
フェリーさんふらわあは、「さんふらわあ くれない/むらさき」の旅客設備について、移動手段としてのフェリーに客船の要素を取り入れ、船旅そのものを楽しめるようにするため「過去最高の内装を誇っている」とアピールします。
内装デザイナーとして「さんふらわあ さつま/きりしま」や客船「にっぱん丸」の改装を手掛けた渡辺友之氏を起用。伝統工芸品である別府竹細工など和のイメージを取り入れた内装を施し、クルーズ船のような丸窓を取り付ける予定です。
船内には3フロア吹き抜けのアトリウムを中心とした広く開放的なパブリックスペースを設けるとともに、瀬戸内海を望む展望大浴場の面積は既存船の2倍、バイキングスタイルの食事を提供するレストランの席数は1.5倍の約200席以上と、大型の船体を生かした充実した設備を整えました。
客室はこれまで設けられていた大部屋のツーリストを廃止。プライベート空間を確保できるカプセルタイプのベッドや個室を中心に据え、グループ旅行から1人旅まで対応できる船室が置かれます。
目玉は、最上階の8階に置かれるバルコニー付きスイートフロアで、ここには専用のカフェラウンジも設けられるとのこと。また、セミスイートコネクトとスイート和洋室という2つの部屋を内扉でつなげる「コネクティングルーム」を国内の長距離フェリーでは初めて設置しました。
このため旅客定員は既存船とほぼ変わらない716人に抑えつつ、定員1人当たりの面積は6.9平方メートルから10.9平方メートルへと広がっています。
充実した旅客設備を設ける背景には、「さんふらわあ くれない/むらさき」が投入される大阪~別府航路が、フェリーでは数少ない「旅客に支えられている航路」という点が上げられます。
同航路は京都・大阪・神戸からアクセスしやすい大阪南港と、九州を代表する観光地のひとつ別府の観光港を結んでいることもあり、フェリーさんふらわあ3航路の中で旅客需要が一番大きい航路となっています。両港とも交通手段が充実しているため、クルマが無くても観光地へ移動できる強みを持っており、そのため徒歩での乗船者数も多い傾向にあります。
フェリーさんふらわあは今後、富裕層やシニア層などを対象にした新規のマーケットを開拓しつつ、名古屋など中京圏からマイカーやバイクを利用して移動する人にもプロモーションをしていきたいとしています。
コメント