撃墜パイロットはどう救出された? 日本に墜ちた米兵士を助けに行った低速機 砲弾の嵐の中

第2次大戦中にアメリカ海軍へ配備されていたOS2U水上観測機は、海面に離着水可能なため、不時着した味方パイロットの救出に多用されました。そういったなか、瀬戸内海などで行った危険極まりないレスキュー任務を見てみます。

滞空時間7時間半にもおよんだレスキューミッション

 コーンビー中尉は海に入って泳ぎ出すと、ジェイコブス大尉が操縦するOS2U「キングフィッシャー」が着水します。ジェイコブス大尉はタキシングしたまま片足を主翼に、もう一方の足を座席に置いて中尉を救出しようとしたところ、機体が波に煽られました。これにより、スロットルを開いたままの機体が動き出したことで、ジェイコブス大尉は機体から海面へと放り出されてしまいます。

 日本側の砲撃が周囲に着弾するなか、危険を顧みずに2機目のOS2Uが着水、海面の2人を救出します。こうして滞空時間7時間36分に及ぶ救出ミッションは、犠牲を出しつつも成功し、午後4時15分にOS2Uは戦艦「ノースカロライナ」へ帰還しました。

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1945年8月9日の空襲で、空母「タイコンデロガ」攻撃隊が撮影した大湊警備府の様子(画像:アメリカ海軍/国立国会図書館デジタルアーカイブ)。

 アメリカ海軍の戦闘報告書は「彼(コーンビー)は翌朝、『エセックス』に戻り、良く日焼けして元気旺盛だった」と救出作戦の最後を締めくくっています。

 こうしたパイロットの救出は旧日本軍も行っています。ただし、それらは制海権や航空優勢の確保がなければ困難でした。戦争末期にアメリカ軍の救出が成功したのは、日本近海においてアメリカ軍が戦局を支配していたからだったといえるでしょう。

【了】

【9人乗せてもダイジョーブ!?】トラック環礁でパイロット救助するOS2U「キングフィッシャー」ほか

Writer:

軍事雑誌や書籍の編集。日本海軍、欧米海軍の艦艇や軍用機、戦史の記事を執筆するとともに、ニュートン・ミリタリーシリーズで、アメリカ空軍戦闘機。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡの翻訳本がある。

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コメント

2件のコメント

  1. 太平洋戦争でのアメリカのエンジンが一つの水上機は、当時の日本海軍の水上機より性能的には劣るというような話しも一部はミリタリー雑誌やミリタリー本にはありますが、当時は日本の敵対国であったアメリカ側からすれば、意外と活躍していたんですね!

     アメリカ側のキングフィッシャー水上機、私もミリタリーファンとして、機会あれば調べてみます。

     ミリタリーファンとして、この記事は参考になりました。ありがとうございました。

  2. 日本近海で潜水艦が浮上して搭乗員を救助してたわけだからそんな不思議なことじゃない

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