ある意味異形!? 軍用機の名門「マクドネル」が生み出した世界に1機のビジネスジェットとは
かつての名門航空機メーカー「マクドネル・ダグラス」の片翼を担ったマクドネル社。軍用機を主力に掲げる同社が唯一民間向けも視野に入れて実用化へ進められた飛行機が存在します。どのようなモデルだったのでしょうか。
異色のマクドネル機「119」なぜ誕生?
アメリカ空軍では1950年台中盤ごろ、比較的小型ながら、旅客だけでなく多用途に使用できる機体「UCX」の開発を、当時ジェット軍用機の開発に成功していたマクドネル社と、ロッキード社に依頼しました。
ここでマクドネル社が掲げた設計案が「119」でした。同社はこの機を、軍用機として開発しているものの、民間需要も見越して機体を考案したと記録されています。一方、ライバルのロッキード社も史上初のビジネス・ジェットとされる「ジェット・スター」につながる機体を製作します。

ただ、UCX計画はロッキード社の案が採用。これが「C-140」となります。119の敗因は、エンジン開発の遅れがひとつとされています。また、主翼が胴体下面に配置してあり、その下にエンジンを搭載したことから、地上からの異物をエンジンに吸い込むこと(FOD)が想定され、そこが懸念点のひとつとも言われていました。
軍用では不採用となってしまったマクドネル社は、「119」を民間向けに実用化を進める方向に動きました。
コメント