ある意味異形!? 軍用機の名門「マクドネル」が生み出した世界に1機のビジネスジェットとは

かつての名門航空機メーカー「マクドネル・ダグラス」の片翼を担ったマクドネル社。軍用機を主力に掲げる同社が唯一民間向けも視野に入れて実用化へ進められた飛行機が存在します。どのようなモデルだったのでしょうか。

一時は「アメリカの航空会社の王」と契約も…

 マクドネル社は型式名を「119」から、「220」に変更し、当時アメリカの航空業界における一大航空会社であった「パンナム(パンアメリカン航空)」へ売り込みをかけ、170機リースをするという暫定的な受注も獲得しました。

 ちなみに型式名を119の次の番号である「120」ではなく、「220」という名称としたのは、マクドネル社が1939年に飛行機メーカーとして事業を開始して20年経過しており、次の20年を目指すといった意味合いがあったとか。

Large 20221013 01
パンナムのボーイング747SP(画像:パン・アメリカン航空)。

 マクドネル119/220は1959年、初飛行に成功。翌1960年には実用化に重要なプロセスのひとつであるFAA(連邦航空局)の型式証明も取得し、順調に実用化へ向け進んでいるように見えました。

 ただ、ここで社長であったマクドネル氏がこのモデルの開発中止を決定します。これは開発費の懸念やパンナムとの暫定受注が失注となってしまったことが一因とされています。こうしてマクドネル社唯一のビジネス・ジェット機の出現は幻に終わりました。

 結局、マクドネル119は、試作機1機だけしか製造されずに計画中断となりました。その後、マクドネル社は民間旅客機部門を持つダグラス社と合併。マクドネル・ダグラス社として、待望の民間機を世にだすことになったのです。

【了】

【写真】ある意味異形!?マクドネル119の全貌

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  3. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号