あり得ない山道!からの、広がる安堵の海 “エモい”終点だらけな長崎のバス

周りを海に囲まれた長崎県は、穏やかな海沿いの光景が広がる風光明媚なバスの終点も多数。その多くは、途中に急峻な山越えを控えています。「密林のような山を抜けた先にパッと海が広がった時の解放感」を味わえる路線を紹介します。

長崎から北の“鉄道がないほう”には何がある?

 長崎では海沿いの長距離路線も多く、乗り継ぎルートもまだまだ健在。中でも市街地から北上して、鉄道が通っていない大村湾の西側にあたる西彼杵(そのぎ)半島に向かうバスなら、長崎の海のさまざまな表情を観察しながら、乗り継ぐことができます。

 例えば半島の西側を北上するなら桜の里ターミナルで乗り継ぎ、西海市役所・樫の浦方面へ。バスから荒波が打ち寄せる東シナ海、沖合に出る漁船が何隻も連なる姿を存分に眺めることができます。半島東側を移動するなら、時津北部ターミナルから大串方面へのバスに乗り、牡蠣や真珠の養殖設備が並び「琴の海」とも称される穏やかな大村湾を眺めるのも良いでしょう。

 大村湾はその北側で、「針尾瀬戸(伊ノ浦瀬戸))「早岐瀬戸」という二つの狭い海峡で仕切られ、湾内に栄養が溜まりやすく、かつ荒れないとあって養殖漁業に向いた環境と言われています。「週刊少年サンデー」で連載中の漫画「第九の波濤」でも、大村湾は「鯨の養殖」構想の候補地として登場。その他同作品では長崎市内や前述の茂木港、佐世保市の「展海峰」などが登場し、長崎大学水産学部の研究施設への移動手段として路線バスも描かれています。

Large 20221016 01
西彼杵半島の付け根にある相川・式見へ向かうバスも高台から海を眺めることができる(宮武和多哉撮影)。

激セマ海峡から佐世保へ、ずっと海沿い大回り可能!?

 西彼杵半島の西まわり、東まわりのバスは車庫のある大串で合流。ここからバスを乗り継ぎ北へ、西海橋を渡って佐世保市に向かうことができます。潮の流れが速い針尾瀬戸(伊ノ浦瀬戸)を渡る橋は、海面からの高さが43mもあり、バスから降りて展望台まで行けば渦潮を眺めることもできます。

 なお西海橋を渡った先は佐世保市南部の「針尾島」で、前出した早岐瀬戸により隔てられた“離島”です。とはいえ早岐瀬戸は短いところで幅10mほどしかなく、橋も数本かかっているため、離島感は全くなく、朝晩には佐世保方面へのラッシュも見られます。

 佐世保駅から北も、路線バスで北松浦半島をぐるりと回り込んで、玄界灘沿いの松浦市、さらに佐賀県伊万里市、唐津市まで、玄界灘を眺めながら海岸線を乗り継ぐこともできます。さまざまな海を座席から心ゆくまで眺められる路線バス乗り継ぎコースですが、一部区間の本数の少なさもあり、全てを路線バスで移動すると丸一日かかるのでご注意ください。

【了】

【写真】海のすぐ後ろに屏風のような山 長崎の“エモい”バス終点

Writer:

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  3. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  4. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  5. バス運転士「辞めないで」 東京都が“給与の手当”を10年間補助! 独自の定着支援で「路線廃止」を防ぐ
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開