あり得ない山道!からの、広がる安堵の海 “エモい”終点だらけな長崎のバス

マジでこんな絶壁をきたのか… と思わずにはいられない港の光景

 長崎半島は突端の野母崎に至る間にも、橘湾を挟んで島原半島に面する東側に、小さな漁港がいくつか点在しています。これらを結ぶバスに乗車すると、海に至るまでの峠の険しさと、そこから眺める海の広さに驚かされます。

 長崎市街から比較的近い距離で、その絶景を味わえるのが、「飯香浦(いかのうら)」に向かうバスです。路面電車の終点である崇福寺から坂を駆け上がり、「こしき岩」バス停の先の峠道を越えると、車窓から橘湾を一望できます。なお途中下車して「こしき岩公園」まで歩けばさらに絶景が見られますが、このバス路線は昼間にはあまり運行がないので要注意です。

 バスはつづら折りのカーブを何度も描いて、眼下に見える小さな漁港、飯香浦へ向かいます。飯香浦バス停近くにある小さな雑貨店「ショップいかのうら」から振り向くと、今まで通ってきた道路の険しさに驚かされることでしょう。この飯香浦は、長崎の名物であるビワだけでなくイチゴの栽培に早くから取り組み、「飯香浦のイチゴ」ブランドで成功を収めているのだとか。

 飯香浦のすぐ南に位置するのが、半島の南岸最大の街である茂木です。市街から茂木へ向かうバスの車窓からは、穏やかな茂木港を見渡すことができます。かつて熊本・天草方面に向かうフェリーの乗り継ぎ場所であった茂木には、今でも1時間2・3本のバスが走り、かろうじて残った1日4本の高速船に接続する便も健在です。

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千々集落を出たバスは海沿いから急坂を駆け上る(宮武和多哉撮影)。

 より南側の集落に向かうバスの終点・千々バス停の周辺は断崖絶壁に囲まれています。海岸線近くの集落をでたバスは急な坂を登り始め、あっという間に絶壁の上の細道に出て、はるか崖下に港や海を眺める格好に。このバスはしばしば土砂災害による運休に悩まされていましたが、徐々に道路改修が進んでいるようです。

【写真】海のすぐ後ろに屏風のような山 長崎の“エモい”バス終点

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