「南海本線高架化」で消える「3つのレア風景」変なホーム 骨董品駅舎

南海本線の堺市・高石市内の高架化で、いくつかの珍しい鉄道風景が、見納めとなりそうです。その中には、南海以外に影響が波及している例もあります。

もうひとつの「100年級」駅舎は使用終了

●諏訪ノ森駅の「上下線がズレたホーム」

 浜寺公園駅の北隣にある諏訪ノ森駅も、変わった構造です。上下線で、ホームが「千鳥式」に、踏切をはさんで北側と南側に分かれて配置されているのです。

 これもレアな配置で、全国で数例しか見られません。諏訪ノ森駅は「スペースが無かった」という理由で、1966(昭和41)年のホーム拡幅をきっかけに、現在の配置となりました。他にはトンネル内に設けられたえちごトキめき鉄道の筒石駅や、またがる2つの地区にのりばを配置した名鉄名古屋本線の島氏永駅などがあります。

 高架化後の諏訪ノ森駅は、真正面にホームが向かい合わせになる、ごく普通の駅構造となる予定です。

●阪堺・浜寺駅前駅「もうひとつの骨董品級駅舎」

 大阪市内と堺市の中心市街地をむすぶ阪堺本線は、終点の浜寺駅前駅の手前で、南海本線をまたいでいきます。これが南海の高架化工事に支障となるため、対応が練られました。

「立体交差の手前に仮の終着駅を設け、その先は5年間運行休止」という案もありましたが、利便性を損なうということで、南海をまたがずに並行し、浜寺公園駅の真横に浜寺駅前駅を移設する案が採用されました。

 南海よりも海側にある現在の浜寺駅前駅は、街の片隅に古い小さな駅舎がぽつんとあるだけの簡素な終着駅。駅舎は1912(明治45)年の開業時期からのものとされ、100年を超える歴史を持つ、味わい深い建築物です。

 南海の高架化工事後の同駅について、堺市は「浜寺公園駅での乗り継ぎ利便性を高め、交通結節点の機能向上を図るため、現在の場所に復旧することは考えておりません」という趣旨の説明をしています。よって今回の移設により、この古い駅舎も役目を終えることとなります。

 南海の浜寺公園駅も1907(明治40)年完成の駅舎が長らく使われていましたが、高架化工事に伴い運用を終了。しかし2017年に建物を丸ごと約30m移設し、線路の傍らでカフェとして保存活用されることになりました。

 これは先述の諏訪ノ森駅でも同様で、大正時代のステングラス入りの木造駅舎は国の登録有形文化財に指定されています。こちらは2020年に移設され、現在はNPO法人により試験活用として、交流スペースなどに転用されています。

【了】

【南海高架化で見納めとなるレア風景】

【鉄道計画特集】新路線 新駅 連続立体交差事業 次に開業するのはどこ? 過去にあった「幻の新線計画」は?

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