デカさは正義だ! 最新艦載ヘリCH-148「サイクロン」の巨体でカナダ軍は何をする?

目下「新車」でなにができるのか確認中

 また、CH-148は「ブロック化戦略」と呼ばれる段階的な能力向上により、機体に搭載されている各種システムやソフトウェアの改修などが行われます。

 2022年10月現在の最新バージョンは「ブロック2」で、機体構造の強化や搭載する電子機器類の能力向上が行われるといい、これにより悪天候下や脅威度の高い地域での活動も安全に行うことができるようになります。

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呉に入港したカナダ海軍フリゲート「バンクーバー」(2022年10月21日、稲葉義泰撮影)。

 冒頭で紹介したホワイトサンド中佐は、CH-148についてさらに次のように述べています。

「CH-148に関して最も重要なことは、これがまるで新車を手に入れたようなものであるということです。乗りなれたクラシックカーであればあらゆることを理解していますが、新車を手に入れた場合には、まずはそれについて学ぶことから始めなければなりません。そのため、カナダ軍ではまだCH-148についてあらゆることを学んでいる段階です。しかし、その能力は並外れたものです」

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カナダ海軍フリゲート「バンクーバー」のケビン・ホワイトサンド艦長(写真左)はCH-148について「能力は並外れたもの」と評する(2022年10月21日、稲葉義泰撮影)。

 この発言からも分かる通り、カナダ軍ではCH-148に関して現在、その機体性能や、それに基づいて可能となる運用方法について試行錯誤をしている段階と言えます。しかし、同時にCH-148に関して非常に大きな期待を寄せていることも分かります。

 今後、インド太平洋地域へ展開するカナダ艦艇にCH-148が搭載される機会も増えていくと思われますが、その運用の幅がどう広がっていくのか、注目されます。

【了】

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Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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