国際観艦式とは空気一変! “多国間洋上救難訓練”を実見 11か国の艦艇の中心に「ぶんご」

20年ぶりに海上自衛隊が主催した国際観艦式。その翌日には、日本に集まった外国艦艇も参加して大規模な多国間共同訓練が実施されました。中心を担ったのは海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」。同艦がどのように使われたのかレポートします。

「母艦」としての機能を持つからこそ

 訓練の最後は治療を終えた負傷者をUS-2救難機に移動させ、陸上の医療施設へ移送させるというものでした。艦内で治療を終えた負傷者は担架に乗せられて船体後部の飛行甲板へと移動。ここでエレベーターから艦尾にあるウェル・デッキ(開閉して水面に直接ボートなどを出し入れできる艦内設備)に下ろされて、そこからボートに乗せられました。

 ちなみに、このエレベーターもウェル・デッキも、本来は大きな掃海器具を運用するための設備です。その後、2機のUS-2救難飛行艇が「ぶんご」上空に飛来。訓練では着水して患者を海上で回収する予定でしたが、悪天候で波が高いため、模擬着水(海面を低空低速で通過)を行って訓練は終了しました。

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負傷者を陸上へと後送するために掃海母艦「ぶんご」の近くで模擬着水を行うUS-2救難飛行艇(布留川 司撮影)。

 本訓練は現実的なシナリオに則った有意義な訓練でしたが、それ意外にも複数の国々が参加することで国際間の交流を深められたことも大きいといえます。また、医療拠点となった「ぶんご」には各国の艦艇から医療関係者がオブザーバーとして派遣されていたことから、トリアージや医療行為などを至近距離で見学し、訓練後には海上自衛隊の隊員も交えて意見交換会を実施していました。

 日本だけ、もしくは限られた国だけで行うと、出てくる意見などがどうしても偏りがちです。せっかく国際観艦式に参加すべく10か国以上の国々が日本に集ったのですから、そのタイミングを活かすという意味でも、多国間訓練は意義があったといえるでしょう。海上自衛隊にとっても、ここで各国から聞くことができた現場レベルでの批評や提案は、大きな資産になるのではないでしょうか。

【了】

【減圧室が“処置室”に】掃海母艦「ぶんご」での救護訓練ほか

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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