どう実現? JALが実施、国内初「CO2排出実質ゼロ」フライトのカラクリとは スゴイ工夫が出る出る!

JALが国内初となる運航時のCO2排出量を実質ゼロにするフライトを実施。ただ旅客機は最新鋭とはいえ、CO2を出さないわけではありません。どのようにここから「実質ゼロ」まで減らしたのでしょうか。

「低燃費→実質ゼロ」を可能にしたものとは

 JAL「サステナブルチャーターフライト」の旅行代金には、航空券代とは別に、移動中の航空機から排出されるCO2を、クレジットを金銭で購入することによって埋め合わせる仕組み「カーボンオフセット」の代金が含まれています。

 JALカーボンオフセットのページで羽田~那覇間のオフセット金額を調べると、片道で325円(CO2換算で約112kgの削減)となっており、今回のフライトでは、これが約250人分積み上げられた形になります。

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JAL「サステナブルチャーターフライト」出発前の様子(深水千翔撮影)。

 このほか、自宅と羽田空港の移動に公共交通機関の利用や、機体重量軽量化の一環として、持ち込み手荷物荷物をコンパクトにするため、羽田空港の手荷物一時預かりサービスの利用も呼びかけられました。

 このように機材、燃料、オペレーション、カーボンオフセット、そして乗客の協力によってカーボンニュートラルフライトを達成することが出来たのです。

 CO2の削減につながるとはいえ、旅行代金にコストが上乗せされる形になったものの、「(チャーターツアーを)売り出した時にかなりの反響があり、非常に手ごたえがあった」(青木常務)とのこと。実際、乗客に話を聞いてみると「飛行機にたくさん乗るからこそ、環境に優しいものを選んでいきたい」「移動でCO2を排出したその部分だけでも減らしたい」といった声が聞かれました。

 

 JALは2050年までにCO2排出量実質ゼロ(ネット・ゼロエミッション)を目指すことを掲げていますが、そのカギとなるSAFの導入はまだ限定的といわざるをえません。SAFは収集・生産から燃焼までのライフサイクルでCO2を約80%も削減することができる一方で、コストの高さが課題。従来のジェット燃料に比べて、数倍もの価格になっているのが現状なのです。生産・商用化も日本では非常に遅れており、青木常務も今回のフライトで一番苦労した点として「SAFの調達」をあげています。

 一方で温室効果ガスの削減は世界的な課題となっており、CO2を非常に多く排出する飛行機の利用者も意識していく必要があるでしょう。そうした点から今回のJALが今回実施した、オペレーションでのCO2削減策と航空券代へのカーボンクレジットを上乗せするという、現在できる手段の“合わせ技”で、環境負荷を大きく減らす取り組みは、一つの“解”になっていくのかもしれません。

【了】

【写真レポ】普通とはだいぶ違うぞ! 国内初「CO2排出ゼロ」フライトに実際に乗る

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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