横浜「上瀬谷ライン」結局どうなった 不採算は自明? 2027国際博覧会と“その後”の課題

で、博覧会終了後はどうなるの?

 では、博覧会終了後の恒久的な交通は、結局どうなるのでしょうか。これについては、今まさに横浜市により再検討が行われようとしています。9月末に検討業務委託が公告され、担当コンサルの選定が進んでいます。

 業務委託の内容は、「新たな交通の設計・建設から維持管理、運営までの最適な事業スキームの選定にむけて、関係者へのヒアリングや事業スキームの概略検討を行うもの」としています。

 この「新たな交通」について都市整備局 上瀬谷交通整備課にたずねたところ、「鉄道やBRTも含め幅広い輸送システムについて検討していく」と話しました。また合わせて、事業手法やリスク分担を整理し、事業主体など事業スキームについても予備検討するとしています。

 横浜シーサイドラインが参画に難色を示したのも、事業をやっていくだけの十分な需要や採算が見込めないことが理由として挙がっています。将来的にテーマパークの内容を含めたまちづくり計画をしっかり深化させ、確実に事業として成り立つとすれば、横浜シーサイドラインを含め、あらためて参画に意欲を示す事業者が現れる可能性があります。市としてはそれを視野に入れて、最適な交通システムを練り直していく段階に入ります。

 実は先述の「答申」でも、「開発等の状況とそれに伴う輸送需要の動向を踏まえつつ、まずはBRTを導入し将来的に中量軌道等に移行するなどの段階的な整備も視野に入れるべき」という「ただし書き」が付いています。まだ漠然とした開発方向性があるのみの段階で、ネットワークも形成しない「1エリア向けピンポイント鉄道」の整備についての答申は慎重にならざるを得なかったのかもしれません。

 横浜市長は国際博覧会の認定について「横浜という街が持つポテンシャルを最大限に発揮し、国内外からいらっしゃる皆様を心温まるおもてなしでお迎えできるよう、引き続き、オール横浜で準備を進めてまいります」とコメント。2025年の大阪万博に続いて、ホストシティとしての街づくりに期待がかかっているのは確かです。
 
【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 上瀬谷ラインは相鉄、JR、東急、都営三田線に乗り入れられる普通鉄道の規格に計画変更したらどうなんだ?
    海老名の折り返し機能も逼迫しとるし、相鉄JRや都営三田線直通を上瀬谷行に乗り入れれば一石二鳥やろ。