メッサーシュミットの知られざるライバル 英「ミーティア」とは 東側にパクられまくるまで

ドイツとのジェット機開発競争でしのぎを削ったイギリス。同国初のジェット機として誕生したグロスター「ミーティア」は、凡庸な機体ながら黎明期のジェット戦闘機として、その後の基礎を築きました。

初戦果は “巡航ミサイルの撃墜”

 ただ、初期のジェット・エンジンは推力が低かったため、単発のHe178やE28/39は実用に適さず、独英ともに双発化することで必要な推力を賄う方策を採ります。とはいえ、ドイツのメッサーシュミット社におけるジェット戦闘機開発では、実用的なジェット・エンジンの開発に難航したことから、試験飛行はピストン・エンジンを搭載した機体で行い、1942(昭和17)年7月にジェット推進による初飛行にこぎつけています。

 ところが、ヒトラーはのちにMe262となるこのジェット機を迎撃戦闘機ではなく対地攻撃機として使用するよう命令したために、実戦配備が大幅に遅れる悪影響が出ました。

 ドイツのMe262の実戦配備が遅れる中、イギリスのグロスター「ミーティア」初号機は1944(昭和19)1月12日に初飛行へとこぎつけます。その後、試験飛行を経て改良が重ねられ、実戦部隊で運用が始まったのは同年7月17日でした。

 本来の迎撃機としての運用に戻されたMe262は、同じ年の4月から試験部隊で運用が始まっており、7月26日にイギリス空軍の戦闘機を損傷(被弾後に機体は喪失)させ初戦果を挙げています。

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第2次世界大戦中にイギリス本土を飛行するイギリス空軍第616飛行隊の「ミーティア」試作量産型F.1(画像:イギリス帝国戦争博物館)。

 同時期、6月6日のノルマンディー上陸作戦で、米英を主体とした連合軍はフランスに橋頭保を確保します。しかし、イギリス空軍はグロスター「ミーティア」をフランス上空に飛ばそうとはしませんでした。その理由は、ジェット・エンジンは燃料消費が大きいため航続距離が短く、また万一墜落してドイツ軍に機体が捕獲されるのを恐れたからです。

 結果、「ミーティア」はイギリス本土の防空のみの使用に限定されました。そのため、「ミーティア」の初戦果は、イギリス本土に飛来したドイツのV1巡航ミサイルに主翼を引っかけて墜落させた、というものでした。

 連合軍がドイツ占領地域の制空権を握った1945(昭和20)年1月、「ミーティア」はオランダに配備され、4月にはドイツのファスベルクに進出します。このころにはドイツ空軍の抵抗はほとんどなくなっており、時折飛んでくるレシプロ機との戦闘で戦果を挙げるも、英独ジェット戦闘機同士の対決は実現しないまま終戦を迎えました。

【カラー写真も】第2次大戦後、イギリス以外の国が運用した「ミーティア」

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