「ハノイ・タクシー」って? かつての横田常連C-141輸送機のマルチすぎる功績 宇宙の大発見まで

ひと昔前は日本にも頻繁に飛来していたC-141「スターリフター」輸送機。軍用ジェット輸送機のデファクトスタンダードとなった機体ですが、実は3度の改良を受けていました。ベトナム戦争や湾岸戦争などで重用された傑作機を振り返ります。

後継機の配備遅れで2度の延命

 C-141はジェット輸送機としては貨物の空中投下と空挺降下を初めて可能にし、南極大陸に着陸した初のジェット輸送機としてのタイトルも獲得しました。ただ、実際に就役してみると搭載重量には余裕があるのに貨物室が満杯になってしまうことが判明。

 この問題の解決のために胴体をストレッチすることで貨物室の容積を大きくする改造が行われます。この改造では胴体の延長と同時に、胴体と主翼を結合する中央翼部分の交換も検討されましたが、1990年代の就役を目指した次期輸送機計画(後のC-17)が始まっていたため、結局、中央翼はそのままとされました。

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1984年8月、トラビス空軍基地(当時)で飛行展示を行うC-141B「スターリフター」輸送機(細谷泰正撮影)。

 そのため、胴体の延長以外には空中給油受油装置の設置と主翼付け根のフェアリングを新しい形状に変更する改造が施されます。新しいフェアリングは気流を巧みに調整することで主翼構造への負荷軽減と巡航時の抵抗減少が図られました。こうした改造により270機がC-141Bとして生まれ変わっています。

 1990(平成2)年に始まった湾岸戦争の際には、空軍予備役と州空軍所属のC-141Bも投入され、空輸ミッション総数1万5800回のうち7000回以上がC-141Bにより行われました。これにより、C-141Bは延べ輸送人員4万1400人、貨物13万9600tという輝かしい実績を達成しました。

 しかし1990年代後半になると、前述した中央翼の交換を伴わない胴体ストレッチと飛行時間の累積などが原因となり、構造材に亀裂が発見されるようになります。ところが、後継機C-17の配備が遅れていたため、検査間隔を短くして必要に応じて補強部材を取り付けるなど、いうなれば「延命措置」が実施されました。

 さらに、C-17配備の遅れに対処するための抜本的な対応も実行されます。C-141Bの63機を対象にグラスコックピット化などの近代化改修が行われ、これらはC-141Cとなりました。

 ただ、2000年(平成12)以降は、徐々にC-17と交代していき、2005(平成17)年にハリケーン・カトリーナで被災したアメリカ南部への救援ミッションが最後の活躍となりました。翌2006(平成18)年には、最後の1機がオハイオ州デイトンの国立空軍博物館まで飛行。このフライトを持って、C-141「スターリフター」は全機退役しています。

【コックピットの様子も】真横から見ると首長っ! C-141の飛行シーンほか

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