空母くるより恐ろしい? 中国の「測量艦」が領海侵入を繰り返すワケ その“ヤバさ”
2022年12月中旬、中国海軍の測量艦が5度目の領海侵入を行いました。測量艦は一見すると民間船のような大人しげな外観ですが、現時点ではある意味、空母がくるよりも厄介な事態ともいえます。いったい何をしていたのでしょうか。
2022年5回目の中国測量艦による領海侵入
2022年12月19日午前6時50分頃、中国海軍のシュパン級(636型シリーズ)測量艦1隻が、屋久島周辺の領海に侵入し、約3時間半後の午前10時30分頃に口永良部島の西で領海を出ました。防衛省によると、同海軍の測量艦が周辺の領海に侵入したのは、今年(2022年)に入ってから5回目を数えるそうです。
この事態、日本の安全保障にとっては、近海を中国海軍の空母機動部隊が航行するよりもリスキーなことだといえます。
かつて第2次世界大戦の頃は、観測機器の性能が未熟だったことから、「海底の地図」は大まかな「点と点」でしか描けませんでしたが、戦後、観測機器が飛躍的に性能向上したことにより、2022年現在では、コンピューターグラフィックスなどを用いればCGで再現できるほど、正確な海底の地形を連続的に描けるまでになっています。
そのおかげで、いまや潜水艦は飛行機が低空をぬうように飛ぶかのごとく、海中の「山」や「谷」を避けて泳ぐことができるようになっており、目的に応じて「広場」や「隠れ家」を見つけて戦術に用いることができるまでになっています。
しかし、そのためには事前調査で海底地形を把握しておく必要があります。これは、空気と違い、“ぶ厚い水の壁” が海底地形を覆っているからで、その点はいくら観測機器が発達したからといっても、偵察衛星や航空機では調べることができないハードルにもなっています。
コメント