議論呼ぶ旅客機「ワンマン運航」可能なのか? 「3人→2人乗務」を操縦席から実見した記者が考える“懸念”

海外では、旅客機を「ワンマン運航」をしようという動きがあり、議論を呼んでます。ただ、かつて操縦席の後ろに座ったことがある筆者からすると、もうひとつ懸念しうるポイントがあるようにも感じられます。

3人乗務と2人乗務に同乗し感じた違い&そして共通点

 在来型747の機長は時折、副操縦士や航空機関士と雑談をしつつも、周囲の空や時々地上へも視線をまんべんなく動かしていました。同氏の姿を見て筆者は、とある操縦教官から聞いた「飛行中は常に緊急事態に備えて不時着できる場所を探す」という言葉を思い出しました。一方、ハイテク小型機の機長は、副操縦士とさほど年齢差がなかったためか、副操縦士が臆することなく質問し、機長も兄貴分という感じで答えていました。

 そして、在来型747とハイテク小型機、どちらの運航乗員からも感じたのは、訓練で積んだ技量の発揮に加えて、フライトごとに新しい経験と得ようという意欲的な副操縦士と、それに応える機長の姿でした。

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「クラシックジャンボ」のひとつ、B747-200Fのコックピット(画像:Bob Adams[CC BY-SA〈https://bit.ly/3aUi8nw])。

 各航空会社は、安全運航のためパイロットへの教育を欠かしません。シミュレーターを使って個々のパイロットの技量を上げたり、乗員専用の情報の共有や啓発も行ったりしています。そして、特に副操縦士は経験値を上げようと、ほかのパイロットの経験をどん欲に吸収しています。

 パイロットはこれまでの訓練、そして長年の経験で得たノウハウから、常に最適な行動を、無意識のうちに出し続けることが求められます。それは雑談をしながら、その視線を機外へまんべんなく向けていた機長の姿からも、うかがうことができました。もうはるか昔に入った操縦室ですが、今もこの景色は変わらないでしょう。

 果たして、冒頭の「ワンマン運航」が、こうした操縦士の学びと経験を発揮しようとする姿勢にどのような影響をおよぼすのでしょうか。そもそも「ワンマン運航」が可能なのか?安全なのか?――といった観点のほかにも、こういったポイントも注意深く考えなければならないのかもしれません。

【了】

【まるでオフィス?】JAL最新鋭機「A350」のコクピット

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