海の「プラグインハイブリッド」 働き方改革な電動貨物船“普及型”が進水 クルマっぽい装備

発電機のCO2フリー化もすぐ?

 同船は従来のディーゼル主機関に代わって、大容量蓄電池(容量401kw/h)と発電機のハイブリッドで出力360kWのPM(永久磁石)モーター2基を駆動させる電気推進システムを搭載し、バッテリーからの給電による航行を可能にしました。

 出入港や離着桟、荷役といった作業時には蓄電池に貯めた電気を使用することで、港内作業の完全ゼロエミッション化を実現。これにより運航時のCO2(二酸化炭素)排出量や燃料費を既存船に比べて最大50%削減することを見込んでいます。将来的には発電機の燃料をLNG(液化天然ガス)や水素、アンモニア、合成燃料などに切り替え、航行を含む全てのオペレーションのCO2フリー化を目指します。

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進水したハイブリッド型電気推進貨物船(深水千翔撮影)。

 船型は中口径プロペラ2基を備える2軸2舵のツインスケグ幅広船型で、貨物の積載量を増やしつつ、浅喫水に対応することで喫水制限がある港にも入港できるようにしました。船を横に動かすことができる船首側のバウスラスターと2基のプロペラ、そして操船支援機能を組み合わせることで、非常に狭い水路でも接岸ができる操船性能を備えます。

 船内はDC(直流)マイクログリッドやPMモーターの採用によって、ディーゼル船に比べ機関部区画はコンパクトになるため、空いた場所は乗組員の居住区の拡張や追加貨物スペースなどに充てることを想定しています。

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