旅客機、なぜ「冬タイヤ」がないのか? 厳冬期どうやって飛んでるのか&厄介なポイントは

クルマだと夏はノーマル、冬はスタッドレスと季節でタイヤを使い分けることが一般的ですが、飛行機は1年を通して同じ型を使っています。なぜこのスタイルで運航されているのでしょうか。

空港除雪体制も充実 実は飛行機の大敵着氷 どう対策?

 また空港側も、冬は除雪の体制を常に整えています。たとえば新千歳空港は、数種類の除雪車があわせて80台以上あり、24時間体制で滑走路、誘導路、駐機場などを除雪。これらの車両は原則、スタッドレスのタイヤを履いています。

 なお滑走路はたとえ除雪が完了していても、路面の摩擦係数が所定の基準を満たさない場合や、横風が強い場合などは、離着陸することができません。この路面のチェックには、「滑走路摩擦計測車」という専用車両が用いられます。

Large 20230125 01
ANA機にデ・アイシングを施す様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 一方で、冬の飛行機にとってタイヤの横滑りより厄介で危険なのが、翼についた氷によって翼形状が変わってしまい、離陸に必要な空気の力を十分に得られないことです。実際、過去に積雪対応が不足していたことで、離陸に失敗した事故も発生しています。

 これを避けるため、フライト直前の飛行機は、翼についた雪を除き新たな着氷を防ぐ防徐雪氷液が散布されます。なお、直前に行われるのは、防徐雪氷液の効果があるうちに上空に出るためです。

 飛行機用防徐雪氷液「キルフロスト」を、稚内空港(北海道)など国内半数以上の空港に提供している関東化学工業によると、製品による差はあるものの、防徐雪氷液の効果が持続する時間は、もっとも厳しい条件(マイナス25度以下、雪のコンディションが水っぽい場合)で30分から40分、緩い条件(マイナス3度以上、雪が硬い場合)で2時間から2時間半だそうです。

【了】

【写真】確かに羽田などと違いは歴然! 豪雪地域特有の滑走路の工夫

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. ロシア海軍の潜水艦に「異変」! 衛星画像の分析で明らかに 船体に“巨大な傘”を設置か イギリス国防省が指摘
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号